仕事をしていると時々友人から「お前にピッタリの仕事があるからちょっと相談に乗ってくれないか」と言われることがある。これはフリーランスであろうが組織人であろうが同様に発生するものだろう。しかし、そこには人間関係の落とし穴がある、というのはネットニュース編集者の中川淳一郎氏だ。中川氏が友人から依頼された仕事をするべきではない、と考える理由について解説する。
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「友人と一緒に仕事をする」と聞くと、楽しそうだし、それでいてお金がもらえてサイコー!と思うかもしれませんが、始まってすぐに後悔します。私はそれが3回続いたことから、仕事を受ける時の条件として「友人からの依頼ではないこと」を入れるようになりました。
一度失敗した後、別の友人から話が来た時は「彼だったら大丈夫だろう」と思ったのですが、やっぱり失敗。そして3回目も「今度こそは大丈夫だろう」と思うも、またもや失敗。この段階で「友人と一緒に仕事をしてはいけない」ことが分かりました。
盛り上がるのは最初の打ち合わせだけ。納品をした際、友人は「さっそくありがとう! さすがだな」みたいに褒めてくれるのですが、なかなかフィードバックが来ない。どうしたんだろう、もしかしてレベルの低いものを送ってしまったのか……なんてモヤモヤしながら数日間を過ごす。その後彼からメールが来るのですが、そこには大抵このようなことが書いてあります。
「申し訳ないが、大幅に修正してもらえないかな。オレが出した指示通りにやってくれたのは分かるのだが、上司とは考えにズレがあったようで、このままではクライアントに出せない」
そして修正して提出するも同様のメールがやってくる。結局、友人は私の能力やアウトプットの傾向が分かっているものの、その上司は彼が思ったこととは違うことを考えていた。もしもその上司が直接私とやり取りをしていたのであれば、うまくいったかもしれないし、あるいは「この人は私の描くアウトプットを出せないだろう」と仕事を発注しなかったかもしれない。