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【注目トピックス 日本株】オーケストラ Research Memo(6):M&Aを活用して「創造の連鎖」拡大を目指す

*13:06JST オーケストラ Research Memo(6):M&Aを活用して「創造の連鎖」拡大を目指す
■成長戦略

1. 中長期成長戦略
Orchestra Holdings<6533>は、M&Aの活用によって既存事業の拡大スピードを加速させると同時に、成長性・収益性の高い新規事業領域へ投資することで「創造の連鎖」拡大を目指すことを基本方針としている。中長期的な目標としては、主要2事業(DX事業とDM事業)のオーガニック成長、M&Aの活用、新規事業の貢献により、2028年にEBITDA50億円、2033年にEBITDA150億円の達成を目指すとしている。具体的戦略としては、既存事業のDM事業は第1の柱として、強みとする運用型広告を中心に市場成長を着実に捉えて全体の成長を牽引する。DX事業は、Sharing Innovationsの再成長フェーズへの復帰やヴェスの成長(今後5年間で売上高100億円規模への成長を目指す)により、急成長市場でのプレゼンスを拡大して早期に第2の収益の柱とする。新規事業ではシナジー創出が可能なIT人材関連領域において、グループ内で一気通貫のエコシステムを構築する。そして各事業間でシナジーを創出することにより、高成長×高収益な事業モデル構築を推進する。

サステナビリティ経営に関しては、企業のDX化支援によるオフィスのエコ化実現、IT人材の育成、ダイバーシティ・多様な働き方推進、人権の尊重、ガバナンス体制の強化などの取り組みを推進している。なお役職員のインセンティブを目的として2022年4月に有償ストックオプション(第4回SO)を発行した。行使条件は、1) 2022年12月期~2025年12月期のいずれかの事業年度においてEBITDAが35億円を超過すること(50%行使可能)、2) 権利行使期間満了までのいずれかの時点において時価総額700億円を超過することとしている。1) と2) の両方の達成で100%行使が可能となる。

2. 株主還元策
同社はM&Aや新規事業領域への成長投資により株主価値の継続的向上を目指しており、株主還元については成長投資とのバランスを取りながら実施していく方針としている。この方針に基づいて、2023年12月期の配当は2022年12月期比1.00円増配の10.00円(期末一括)とした。配当性向は20.7%となる。そして2024年12月期の配当予想は2023年12月期比1.00円増配の11.00円(期末一括)とした。予想配当性向は19.6%となる。2018年12月期の初配当実施以来連続増配であり、今後も収益拡大に伴って増配など株主還元のさらなる充実が期待できるだろうと弊社では考えている。なお経営環境の変化に対応した機動的な資本政策を可能にするため、2024年2月14日付で自己株式取得(上限は250,000株または200百万円、取得期間は2024年2月15日~2024年5月31日)を発表した。取得した自己株式の処分等については戦略的M&Aに活用する可能性もある。

3. アナリストの視点
同社は、M&Aを積極活用することによって成長基盤の構築と既存事業の拡大スピードを加速させると同時に、技術融合やシナジー創出を推進することでマーケティングDX領域のリーディングカンパニーを目指すとしている。DXやDMといった成長市場にフォーカスして事業展開しており、M&Aによるシナジー効果を勘案すれば中長期成長ポテンシャルが大きいと弊社では評価している。直近の業績は一過性要因も影響して減速感が見られたものの、会社側では2023年12月期をボトムとして2024年12月期は再成長フェーズとしている。したがって当面は再成長フェーズの進捗状況に注目したいと弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)

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