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2004年にサラリーマンが初めて長者番付首位に立った背景とは

2015年10月7日 7:00

長者番付は時代を映す鏡だ。〈株・IT長者 目立つ〉──2000年度の長者番付を発表した日経新聞の1面に載った見出しである。

1990年代末期にアメリカ市場を中心として、インターネット(IT)関連企業への実需投資や株式投資が異常に盛り上がった。いわゆるITバブルだ。日本にも上陸し、多くのIT関連企業が設立され、1999年から2000年にかけて株価の上昇が見られた。

そんな中、長者番付にもIT関連の株長者が頭角を現わしてきた。

2000年度には2位になった三木谷浩史・楽天社長(所得税額・18億8611万円)に続いて、3位には孫正義・ソフトバンク社長(同15億8180万円)、4位に宇野康秀・有線ブロードネットワークス社長(同11億8130万円)という顔ぶれがベスト10内に初めてランクインした。

2001年度は、所有していた消費者金融部門の子会社の株式を売却して300億円超の所得を得た高橋洋二・ユニマットグループ代表がトップ(同68億4115万円)。2002年度には、所有株式の売却益で橋本弘・全薬工業会長が1位となった(同17億510万円)。この全薬工業は、「風邪にジキニン」というフレーズがCMで人気となった製薬会社だ。

2003年度は健康食品販売業の斉藤一人が1997年度に続いて2度目のトップに返り咲いた(同11億4849万円)。2004年度は「ユニクロ」を展開するファーストリテイリング社長の柳井正が3位と初めてベスト10入り(同10億8393万円)。フリースなど格安商品がヒットし、「デフレの申し子」などと呼ばれた。だが、同年にそれ以上に話題を集めたのはタワー投資顧問運用部長の清原達郎が1位になったことだった(同36億9238万円)。サラリーマン(給与所得者)で初めて長者番付のトップになったからである。

「ヘッジファンドを運用するファンドマネージャーという肩書きではありますが、実質的には共同オーナーだと聞いています。ITバブル期に新規上場した小型株の中から成長が見込めると判断した銘柄に投資し、それが当たって驚異的な運用実績を上げた。その結果、莫大な成功報酬を手にして長者番付の1位に登りつめた。まさにITバブルの寵児といえます」(マーケットアナリスト・平野憲一氏)

(文中敬称略)

※週刊ポスト2015年9月25日・10月2日号
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