近隣トラブルに発展しやすいのが、ゴミ集積所に関する問題だ。自宅の目の前にある集積所の利用者のマナーが悪い場合、集積所自体を移動してもらうことはできるのだろうか? 実際の法律相談に回答する形で、弁護士の竹下正己氏が解説する。
【質問】
私の家の目の前に、向かいのアパートのゴミ集積所がありますが、利用者のマナーが悪くて困っています。決められた曜日以外や収集後にゴミを捨てる人がいて、カラスがゴミを散らかすこともたびたびです。
アパートの管理会社に連絡すると掃除はしてくれますが、マナーの改善には至っていません。ゴミ集積所の位置を移動してもらうことはできないのでしょうか。(東京都・60才・主婦)
【回答】
家庭の生活ゴミは一般廃棄物です。市町村は、廃棄物処理法に基づき一般廃棄物処理計画を定めてゴミの収集や処理をする義務があり、住民も処理計画に基づいてゴミ出しするなど協力義務があります。
家庭ゴミには、戸別収集方式と集積所(ゴミ置き場)収集方式があり、集積所方式が採用されると、指定の集積所以外ではゴミは収集されません。
ゴミ集積所の位置の変更は、その場所が誰のものであるかで違います。市町村の所有地の場合は、役所との交渉となります。民間所有地が一定の住民グループのためのゴミ集積所になっている場合、そのグループでの協議で新たな集積所を決め、市町村の了解を得る必要があります。