“万枚”突破も珍しくないスマスロの登場でスロット人気は復調したが、スマスロ導入のための設備投資が中小ホールの経営を圧迫している側面も
新台導入や宣伝で大規模なチェーン店が有利になりやすい
さらに今回の資料では、1ホールあたりの設置台数の推移も公表。2020年に1ホールあたり443台の設置だったのが、2021年は451台、2022年は465台、2023年は483台、2024年は496台と徐々に上昇している。
また、設置台数別のホール店舗数の推移も公表された。その一部を以下に抜粋する。
●設置台数101~300台のホールの数
2020年:2733店舗
2021年:2613店舗
2022年:1987店舗
2023年:1630店舗
2024年:1419店舗
●設置台数301~500台のホールの数
2020年:3213店舗
2021年:2881店舗
2022年:2755店舗
2023年:2457店舗
2024年:2294店舗
●設置台数501~1000台のホールの数
2020年:2518店舗
2021年:2364店舗
2022年:2331店舗
2023年:2346店舗
2024年:2338店舗
●設置台数1001台以上のホールの数
2020年:346店舗
2021年:316店舗
2022年:354店舗
2023年:375店舗
2024年:399店舗
2024年の設置台数101~300台設置の小規模ホールの数は、2020年に比べて半分近くに減少している一方で、501~1000台設置の大規模ホールはほぼ現状維持。そして1001台以上設置のより規模が大きいホールは、2020年から2021年にかけて減少したものの、翌年からは増加傾向にある。つまり、小規模ホールが減少し、大規模ホールは生き残っているということだ。
大規模ホールの中には、資本力のある大手チェーンが運営する店舗が多い。大手チェーンであれば、より立地のいい場所への出店も可能で、かつ集客のためのイベントを開催するなど、宣伝広告にもお金をかけられる。特に最近はネット上で情報をキャッチするユーザーが多く、SNSに注力したり、YouTubeチャンネルで多彩な動画コンテンツを提供したりできる、大手チェーンの店舗が有利になりやすい傾向が強まっているのだ。
「スマスロやスマパチ(スマートパチンコ。玉を触ることなく遊技するパチンコ機)が登場し、それらを設置するには設備投資も必要となります。小規模のホールではそういった費用を捻出するのが難しく、泣く泣く撤退するケースもあります。さらに昨今はパチンコ機、パチスロ機の価格が高騰しており、新台の導入にはかなりの費用が必要になる。新台入れ替えは集客のための大きな要素ですから、その費用がないと稼働を上げることもできない。そういった部分でもやはり大手チェーンが運営する大規模なホールが有利になっている現実があります」(藤井氏)