「ROE」で企業の経営効率がわかる
株式資本を効率的に活用しているか見る
「ROE(自己資本利益率)」は、企業の経営効率を測るための財務指標です。
ROEは「当期純利益」を「自己資本( 純利益)」で割って算出します。この自己資本は、投資家から集めた資金で構成されています。つまり投資家目線では、自分たちが出資した資金を使って、企業が効率よく稼いでいるかどうかの指標となります。基本的にはROEが高いほど効率よく稼いでいる企業と考えます。
なお、ROEの計算式には株価が含まれていないため、単体では割安性を判断できません。ROEは企業の収益力や競争力の評価指標であり、ROEの高い銘柄は今後の株価上昇や配当増加が期待できるといえます。
また、純利益には借入金などの負債は含まれていません。ROEは高いものの、多額の負債を抱えている場合は、効率的な経営をしているとはいえないため注意が必要です。総合的な業績を見て判断しましょう。
ROEの目安は8%以上 10%以上あるのが理想
「ROE」の平均や基準を確認する
ROEは8%以上を1つの目安として考えるといいでしょう。理想は10%以上、15%以上ある場合はかなり効率よく経営できているといえます。ただし、PERの平均が業種によって異なるのと同様に、ROEも業種によって平均値が異なります。一般的に情報・通信業や卸売業、鉱業はROEが高い傾向にあり、電気・ガス業や飲食サービス業は低い傾向にあります。ROEも数値だけを見るのではなく、同じ業種や似たような事業内容の企業との比較が大切です。
また、ROEと似た指標でROA( 総資産利益率)と呼ばれるものがあります。これは借入などの負債も含めた全資産に対してどのくらい利益をあげたかを示す指標です。ROEが高くてもROAが低い場合は、資産の負債割合が多くなっている可能性があります。銘柄選びの際は1つの指標だけを見るのではなく、割安度や会社の収益性、経営効率など多角的に判断しましょう。
※ムック『いちからわかる!株投資 2025年度最新版 最新株ランキング&買い方ガイド』(インプレス)を元に一部抜粋して再構成