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投資
いちからわかる!株投資

【図解で丸わかり】「自社株買い」「株式分割」でなぜ株価が上がるのか? 知っておきたい「株価を押し上げる企業イベント」の数々

株価を押し上げる企業イベントにも注目(Getty Images)

株価を押し上げる企業イベントにも注目(Getty Images)

 株価が上がるきっかけは様々。企業の決算や新サービスが発表される以外に、「自社株買い」や「株式分割」などが発表されたときも株価が上昇しやすいタイミング。そういった株価を押し上げる企業イベントの数々について、経済ジャーナリストの和島英樹氏・監修『いちからわかる!株投資 2025年度最新版 最新株ランキング&買い方ガイド』(インプレス)より一部抜粋・再構成して紹介する。

自社株を買い戻すと1株の価値が上がる

「自社株買い」は1株あたりの価値を高める

「自社株買い」は1株あたりの価値を高める

 株式会社は上場する時に自社の株を発行して、投資家に買ってもらうことで、資金調達を行います。しかし一度市場に流通した株を、上場企業が買い戻すこともあります。これを「自社株買い」といいます。

 わざわざ自社の資金を使って買い戻すことは不思議に思われるかもしれませんが、その目的の1つは株主に利益を還元するためです。

 なぜ利益の還元になるかというと、「1株あたりの価値が高まるから」です。

 企業が自社株買いを実施すると、市場に出回る株が少なくなり、希少性が高まります。また別掲図で示している計算式のとおり、発行済み株数が少なくなり、1株あたりの純利益が上がります。それにより、割安度を示すPERが下がり、投資家の買い注文が集まりやすくなり、その結果として、株価上昇を招きやすくなります。

 投資家はこの流れを知っています。そのため、「自社株買いの実施をする企業は株主還元に積極的」と受け取り、その姿勢が市場で評価され、買い注文が増えやすいのです。

 なお企業にとって、自社株買いで広く出回ってしまった株の買戻すことは、自社の保有率を高めることとなり、買収リスクを抑える効果も期待できます。経営の安定性を高める施策として、株主の評価を高める材料にもなります。

分割されると投資家が株を買いやすくなる

「株式分割」は最低購入金額が安くなる(1:3に分割のケース)

「株式分割」は最低購入金額が安くなる(1:3に分割のケース)

 株価上昇を招くイベントとして、株式分割も広く知られています。

 株式分割とは文字通り1つの株をいくつかに分割すること。例えば株価6000円の企業が1対3の株式分割を行うと、株価は理論上3分の1の2000円となります。これにより、株価が高すぎて見送っていた投資家が買いやすくなり、流動性が高まることで株価上昇が期待されるのです。

 とくに近年は多くの個人投資家がNISA制度を活用しており、制度には非課税投資枠に上限が設けられていることなどの理由で、株式分割の注目度は以前より増しています。

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