再び久留里線で沿線の中心地久留里駅へ。久留里中心部の地名は久留里市場という。久留里は久留里城の城下町だが、ほぼ久留里線に並行して流れる小櫃川(おびつがわ)沿いということもあり、水運で栄えた。
堅牢な金物屋や割烹旅館を改装したカフェ、湧水を活かした造り酒屋もあるが、ここでも1.6km歩いて「古民家cafeふるさと」へ昼飯を食べに行く。
築140年の古民家カフェは昼のみの営業。車で来る客がほとんどのなか、昼からビールを飲みつつ1650円のランチを楽しむ。これぞ「鉄旅」の醍醐味である。
その後、同じ道を戻るのはつまらないので、隣の平山駅まで約2kmを歩く。ときおり成田から離陸した旅客機が上空を横切るほかは、自然の音しか聞こえない。
平山駅以南は廃線対象となった区間。駅前の焼きそば屋「志保沢商店」で200円のコーヒーをテイクアウトして、上総亀山行きの気動車を待つ。しかし13時46分の次が16時47分までない。一方で、平山駅前のバス停からは、東京タワーや渋谷マークシティまでの直通バスが出る。これでは勝負にならないだろう。
車内は「鉄分」濃厚だったが、1駅だけ乗車して上総松丘駅で下車。この駅の駅舎はログハウス風だが、実は1990年、大嘗祭に反対する過激派の放火により消失した駅舎の代わりに建てられたもの。しかしなぜにこの駅だったのだろう。
日帰り温泉にイタリアンも堪能
上総松丘駅から終点の上総亀山までは、5kmほど。さすがに歩きたくないので君津市デマンドタクシー「きみぴょん号」を呼ぶ。オンデマンドタクシーは土日休みが多くツーリスト泣かせなのだが、ここは土日も運行しており、どこでも500円。ただ、2台しかないので今日は希望時間より1時間くらい待たされた。その分、上総松丘駅周辺でゆっくりできたわけだが、確実に移動したいのなら、早めに予約したほうがよさそうだ。
相乗りの男性1名と同じ目的地である亀山温泉の「湖水亭嵯峨和」にやってきたが、こちらは団体利用で入れないという。
幸いもう一つの宿である「亀山温泉ホテル」までは歩いてすぐなので移動する。Facebookでチェックインするだけでバスタオルが無料になる。長時間歩いたうえ、冷えた身体に温泉が心地よい。
風呂上りは知人のすすめでもあった亀山湖沿いの亀山水天宮に来てみた。1980年にできた人工湖の亀山湖は、ヘラブナやバス釣りがさかんである。湖畔には桜が植えられており、美しい。
亀山湖沿いの亀山水天宮