今週のドル円はどう動く?
投資情報会社・フィスコが5月12日~5月16日のドル円相場の見通しを解説する。
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今週のドル円は伸び悩みか。米トランプ政権のドル高是正の思惑が広がり、ドルに利益確定売りが予想される。また、足元で低調な経済指標が目立ち、減速懸念によるドル売りも見込まれる。米連邦準備制度理事会(FRB)は6-7日開催の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利の据え置きを決定。先行きについても、一段の緩和には慎重なスタンスを示しており、タカ派的な政策維持を背景にドル買いに振れやすい。
ただ、トランプ米大統領はFRBに対する利下げ圧力を弱めておらず、4月のパウエル議長更迭をめぐる信認低下のドル売りはなおくすぶりそうだ。今週の焦点は米インフレ指標。5月13日の4月消費者物価指数(CPI)は総合、コアの両指数の伸びは3月実績と同水準となる見込み。インフレ率が市場予想を上回った場合、FRBの政策をにらみドル売りは後退する可能性があるが、小売売上高は前回の大幅改善から急激に失速する見通し。1-3月期国内総生産(GDP)はマイナスに落ち込み、消費の弱さが顕著なら景気後退を嫌気したドル売りが強まるだろう。
先週末からスイスで開催される米中貿易交渉は、解決には紆余曲折が予想される。これまで期待先行のドル買いが続いたが、市場の期待に反して進展がみられなければドル売りが強まりそうだ。日米関税協議で円安是正の見方は根強く、ドル円は下押しされる可能性もあろう。
【米・4月CPI】(13日発表予定)
13日発表の米4月CPIは総合が前年比+2.4%、コア指数は前年比+2.8%と予想される。市場予想と一致、または上回った場合、長期金利は強含み、ドル買い材料に。
【米・4月小売売上高】(15日発表予定)
15日発表の米4月小売売上高は前月比0.0%と予想され、前月に高い伸びを記録した反動が予想される。市場予想を下回った場合、スタグフレーション懸念のドル売り要因に。