「課外・社会活動の実績はほぼ求められない」と最大手塾が解説
早稲田塾のサイトの上智大学の公募制の解説文にはこう書かれる。
「課外・社会活動の実績はほぼ全く求められないため、高校での成績がよく、志望学部の分野への強い関心があれば現役合格への道は近いといえるだろう」(原文ママ)
上智の公募制の出願要件(評定平均値)は4.0以上。「高校での成績がよく」といっても指定校推薦ほど高い水準は求められない。
この上智の公募制の解説を読むと、三宅くんがサッカー部の部長だったことは評価の対象になっていないことが分かる。
では、なぜ、三宅くんは上智大学の公募制に合格したのだろうか。「志望学部の分野への強い関心」を大学に認めさせないといけないわけだが、それはどうやったのか。そこに総合型選抜攻略のキモがあるのだ。
今回は「部活動の実績が推薦入試で評価される」という多くの人が誤解しがちな点について言及した。少なくとも難関大の総合型選抜(公募制)では、活動実績はなくてもいい。それでは、何が必要なのか。早稲田塾が解説に書く「志望学部の分野への強い関心」とは具体的にどんなことを差すのか。後編記事で、詳しく解説していこう。
■後編記事:《大学の推薦入試で「活動実績」は評価されない それでも部活を続けてきた受験生が総合型選抜で有利な理由》につづく
杉浦由美子氏の著書『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)
【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/受験ジャーナリスト・ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。新刊は大学入試の今後が分かる『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)。『ハナソネ』(毎日新聞社)、『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)で連載をし、月刊誌や週刊誌でも記事を書いている。受験の「本当のこと」を伝えるべくnote(https://note.com/sugiula/)のエントリーも更新中。