部活をがんばると推薦入試に有利に働くというのは本当か?(イメージ)
大学受験で推薦入試の割合が高まっており、推薦入試に対する受験生の注目も集まる一方で、一般入試ほど対策方法が広まっていないのも実情だ。一般的に、部活動などの課外活動の実績が推薦入試に有利に働くという印象もあるが、実態はどうか。『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』が話題の受験ジャーナリスト・杉浦由美子氏がレポートする「課外活動と推薦入試」。【前後編の前編】
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大学受験の6割が推薦入試という時代に突入し、今後も拡大していくだろう。一方で、推薦入試に関しては一般入試ほど情報が共有されていない。私も間違った先入観を持っていたため、推薦入試についての取材を進めるにつれて多くの意外な事実に出会った。
最初に私が驚いたのは、基本的に難関大学(「成成明学獨国武」(成城、成蹊、明治学院、獨協、国学院、武蔵)以上の難易度の大学)の総合型選抜では課外活動の「活動実績はなくてもいい」ということだ。
総合型選抜は指定校推薦と違って、出願要件をクリアしていれば基本、誰でも出願できる推薦入試だ。この総合型選抜は何らかの活動実績がないと合格できないという先入観を持っている人も少なくないのではないか。
特に慶應義塾大学のSFC(湘南藤沢キャンパス)の総合型選抜は活動実績重視といわれるが、実際には「活動実績ゼロ」の学生がしばしば合格している。
実績のある推薦対策塾に取材をしても「活動実績が評価されるわけではない。それより違う要素が求められる」とみなが口を揃えていう。
では、なぜ、総合型選抜では「活動実績が重視される」と誤解されているのだろうか。私自身も勘違いしていたため、まずはそこを検証しよう。