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【注目トピックス 日本株】オプテックスグループ:グローバルシェアが高い高収益企業、センサー技術・光学技術に加えて精緻なマーケティング戦略が奏功

*10:30JST オプテックスグループ:グローバルシェアが高い高収益企業、センサー技術・光学技術に加えて精緻なマーケティング戦略が奏功
オプテックスグループ<6914>は、1979年に滋賀県大津市で創業し、センサー技術を核とした事業を展開している。現在は東証プライム市場に上場している。「ベンチャースピリット溢れる企業集団を目指す」を企業理念に掲げ、センシング技術や光学技術などを駆使して「安全・安心・快適」な社会や産業への貢献を目指している。
「センシングソリューション(SS)事業」と「インダストリアルオートメーション(IA)事業」に分類しており、売上構成比はSS事業が44%、IA事業が54%となっている。営業利益の構成比は、SS事業とIA事業がほぼ同水準であり、バランスの取れた収益構造となっている。欧米を中心とした海外売上比率も高い。

SS事業では、人間や車両の動きを高精度に検知する各種センサーを主力とし、防犯用センサー、自動ドア用センサー、車両検知センサーなどを製造・販売している。特に屋外においては、あらゆる気象条件や環境下でも高精度な検知を可能にする優れた技術力を有している。防犯分野においては、即時性と確実性に優れた同社のセンサーは高い信頼を得ており、AIカメラの台頭が進む中にあっても、引き続き強い競争力を維持している。
一方、IA事業では、モノづくりの現場で用いられる機器を提供しており、ファクトリーオートメーション(FA)用センサー、検査用照明、産業用PC、自動化装置などが主力製品である。半導体・電子部品やEV関連の工場などで広く採用されている。
これら両領域において、同社は高い技術力に加え、精緻なマーケティングによって「グローバルニッチNo.1」のセンサーメーカーを目指しており、屋外用侵入検知センサーでは世界シェア40%、自動ドア用センサーでは同30%、検査用照明でも同30%を保有している。

2024年12月期は、売上高が63,269百万円(前期比12.2%増)、営業利益が7,121百万円(同20.7%増)、当期純利益が5,689百万円(同23.5%増)となった。SS事業を中心に、ソリューション提案ビジネスの拡大により、大型重要施設向けの屋外用防犯センサーや駐車場向けの車両検知センサーなどの高付加価値製品の販売が増加したことに加え、円安による売上押し上げ効果もあり増収増益となった。
2025年12月期第1四半期の実績は、売上高15,080百万円(前年同期比2.5%減)、営業利益1,873百万円(同6.7%増)、純利益1,778百万円(同36.6%増)となった。売上はIA事業において自動化装置(車載電池向け注液装置)の販売が減少したが、SS事業の高付加価値製品の販売が好調に推移したことにより、増益となった。
2025年12月期の通期業績見通しは、売上高66,000百万円(前期比4.3%増)、営業利益7,400百万円(同3.9%増)、純利益5,900百万円(同3.7%増)を予想している。円高予想と産業機器市場の回復が遅延する想定を織り込んでいる。

同社は、今後3年間の経営計画を毎期見直すローリング方式を採用している。2025~2027年度を対象とした中期経営計画では、売上高77,000百万円、営業利益10,000百万円を掲げ、ソリューション提案型ビジネスへの転換を加速し、さらなる付加価値の向上、収益性の強化、そして事業の持続性向上を目指している。SS事業では、防犯の大型重要施設向け案件や車両検知センサーへの重点投資を進め、IA事業ではFA関連や検査用照明関連への取り組みを強化している。特に欧州、米国、アジア市場において成長余地が大きいと見ており、それぞれの市場特性に応じた戦略的展開を進めている。
また、M&Aにも積極姿勢を示している。150億円規模の投資枠を確保しており、SS事業およびIA事業において、戦略的な買収を模索している。

株主還元については、「安定かつ継続的な配当の実施」を基本方針として掲げており、配当性向30%、またはDOE(株主資本配当率)3%以上を目安にしている。2024年12月期は年間配当40円を実施し、配当性向は25.0%であった。2025年12月期は年間45円を予定しており、安定的な増配姿勢を示している。
また、自社株買いについても機動的に対応する方針を持っている。さらに、過去10年間のヒストリカルデータや事業説明資料の開示などで透明性を高めるなど、株主との対話を重視している。

<HM>

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