*08:07JST 11日の米国市場ダイジェスト:NYダウは1ドル安、利下げ期待も中東地政学的リスクが相殺
■NY株式:NYダウは1ドル安、利下げ期待も中東地政学的リスクが相殺
米国株式市場は反落。ダウ平均は1.10ドル安の42865.77ドル、ナスダックは99.11ポイント安の19615.88で取引を終了した。
対中通商の合意成立を好感し、寄り付き後、上昇。消費者物価指数(CPI)も予想を下回る伸びに留まり年内の利下げ期待を受けて、続伸した。終盤にかけて、イランが地域の基地攻撃を警告、イラク大使館員の避難が報じられると中東地政学的リスクを警戒し、下落に転じ終了。セクター別では不動産管理・開発が上昇した一方、小売が下落した。
先進原子力技術企業のオクロ(OKLO)はアラスカのアイリエルソン空軍基地への電力供給契約を獲得したと発表し、上昇。コーヒーチェーンのスターバックス(SBUX)は中国の地域の成長活力を与えるべく、マイノリティ株売却を検討しており多くの関心が寄せられていると最高経営責任者(CEO)が明らかにし、上昇。電力インフラ会社のタレン・エナジー(TLN)はオンライン小売のアマゾン(AMZN)とデータセンター用に原子力協定を提携し大幅高。
航空機メーカーのロッキード・マーチン(LMT)はトランプ政権がF35戦闘機受注を半減したため、売られた。ペットフード、ペット関連製品のオンライン小売チューイ(CHWY)は第1四半期の決算で示した通期売上見通しが予想に満たず、下落。防衛・宇宙事業を手がけるボイジャー・テクノロジーズ(VOYG)はニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場、新規株式公開(IPO)価格を大幅に上回り取引を終了した。
ソフトウエア・メーカーのオラクル(ORCL)は取引終了後に四半期決算を発表。内容が予想を上回ったほか、四半期配当発表で時間外取引で買われている。
(Horiko Capital Management LLC)
■NY為替:米5月コアCPIは予想外に鈍化、利下げ観測強まりドル反落
11日のニューヨーク外為市場でドル・円は145円46銭まで上昇後、144円33銭まで下落し、144円62銭で引けた。トランプ米大統領が中国との通商協議での合意成立をソーシャルメディアで明らかにしたためリスク選好の円売り・ドル買いが優勢となった。その後発表された米5月消費者物価指数(CPI)のコア指数が予想外に鈍化し、利下げ観測が強まったほか、10年債入札が堅調で長期金利が低下に伴いドル売りに転じた。その後、米高官がイラク、バグダッドの大使館スタッフ一部退去命令を用意しているとの報道で中東の地政学的リスク上昇を警戒し、リスク回避の円買いが再開。
ユーロ・ドルは1.1429ドルから1.1500ドルまで上昇し、1.1484ドルで引けた。ユーロ・円は165円70銭へ下落後、166円42銭まで上昇。米中通商協議合意を好感し、リスク選好の円売りが強まったのち、中東地政学的リスク上昇懸念に伸び悩んだ。ポンド・ドルは1.3488ドルから1.3567ドルまで上昇。ドル・スイスは0.8230フランから0.8185フランまで下落した。
■NY原油:大幅高で68.15ドル、中東情勢の悪化を警戒した買いが入る
NY原油先物7月限は大幅高(NYMEX原油7月限終値:68.15 ↑3.17)。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物7月限は、前営業日比+3.17ドル(+4.88%)の68.15ドルで通常取引を終了した。時間外取引を含めた取引レンジは64.60ドル-68.37ドル。イラク及び中東情勢の悪化を警戒した買いが観測された。通常取引終了後の時間外取引では主に68ドルを挟んだ水準で推移した。
■主要米国企業の終値
銘柄名⇒終値⇒前日比(騰落率)
バンクオブアメリカ(BAC) 44.73ドル -0.36ドル(-0.79%)
モルガン・スタンレー(MS) 131.81ドル -0.01ドル(0.00%)
ゴールドマン・サックス(GS)624.17ドル +9.30ドル(+1.51%)
インテル(INTC) 20.68ドル -1.40ドル(-6.34%)
アップル(AAPL) 198.78ドル -3.89ドル(-1.91%)
アルファベット(GOOG) 178.79ドル -1.22ドル(-0.67%)
メタ(META) 694.14ドル -8.26ドル(-1.17%)
キャタピラー(CAT) 363.14ドル +4.57ドル(+1.27%)
アルコア(AA) 28.74ドル -0.02ドル(-0.06%)
ウォルマート(WMT) 95.80ドル -1.52ドル(-1.56%)
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