3日に発表された米雇用統計では、雇用者数は前月から伸びが拡大し、失業率も予想に反して低下する結果となっている。少なくても7月の利下げ期待は消滅したとみられるが、9月利下げ期待は大きく後退していない。9日のFOMC議事録、15日の消費者物価指数(CPI)などを受けて、目先米利下げ期待が株価の反発材料につながる余地は残っていよう。今週は国内外ともに大きなイベントは乏しく、国内では主要小売企業の決算発表が主な関心事となりそうだ。ちなみに、先週発表された小売企業の決算後の株価動向は、ややネガティブな反応が多かったように見受けられる。セブンアイの再編の行方にも関心が向かう可能性はあろう。
今週、需給面ではETFの分配金捻出売りがマイナス要因となる見込み。市場想定では1.5兆円規模の売りインパクトとされており、8日、10日の大引けで売り需要が発生するとみられている。週前半は、こうした需給懸念も株価の抑制要因となりそうだ。需給面では先週、メディアやゲームなどのエンタメ株が一斉に売られたり、データセンター関連や防衛関連が弱い動きとなった一方で、鉄鋼や自動車株などが総じて買われる場面がみられた。四半期替わりに伴うリバランスの動きと観測されるが、関税懸念が再度台頭する状況下では、こうしたリバランスの動きは一過性にとどまる可能性が高いようにみられる。
国内では7月20日に参院選の投開票が予定されている。政権与党の苦戦が想定される状況下、目先の株式市場にとって警戒材料となってきそうだ。また、参院選を控えていることで、米国との関税交渉が進展しにくいことも逆風となる。株式市場の警戒材料としては他にも、株主総会を通過したことで、政策保有株削減に伴う株式売出の動きが表面化することも想定されるところ。自社株買いで対応できる企業とできない企業の明暗へとつながろう。なお、先週末に安川電機が決算を発表、下振れ自体は想定線だが、下方修正幅はやや大きいとの印象がある。
今週にかけて、国内では7日に5月毎月勤労統計、5月景気動向指数、8日に6月景気ウォッチャー調査、5月経常収支、9日に6月マネーストック、6月工作機械受注、10日に6月国内企業物価指数、6月都心オフィス空室率、地域経済報告、11日にオプションSQなどが予定されている。
海外では、7日に欧・5月ユーロ圏小売売上高、独・5月鉱工業生産、8日に豪・豪州準備銀行理事会、欧・EU財務相会合、独・5月輸出入、米・5月消費者信用残高、9日に中・6月生産者物価、6月消費者物価、6月マネーサプライ、米・FOMC議事録(6月17-18日開催分)、10日に米・新規失業保険申請件数、11日に米・6月財政収支などが予定されている。なお、9日には米政府による相互関税上乗せ分の停止期限を迎える。