たーちゃん氏がセガ株に注目していた理由とは(同氏のXアイコン)
元手50万円から投資を始め、現在の資産は80億円を突破した個人投資家・たーちゃん氏(50)。3年前にステージ4のがんと診断され余命宣告も受けたあとも精力的に投資を続けている。いまは多くの資産を築いたたーちゃん氏だが、株式投資を始めた頃は失敗ばかりだったという。何がきっかけで投資がうまくいくようになったのか?
たーちゃん氏がふたりの愛娘へ向けて書いた著書『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』より一部抜粋・再構成して、たーちゃん氏の“株式投資で初めての成功体験”を紹介する。
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株を売買するには、証券会社で「証券口座」を開設しなければならない。早速、証券口座を開いて、勉強がてら、なんとなく聞いたことがある会社の株を少額で売買してみたけれど、ぜんぜんうまくいかなかった。
そこで「ちゃんと考えて買おう」と株式投資の本をいろいろと読んで勉強しつつ、たどり着いたのが、セガ(現 セガサミーホールディングス:6460)だった。
当時のセガは、1998年に発売したゲーム機「ドリームキャスト(ドリキャス)」の不振から、「もうすぐつぶれるんじゃないか」とうわさされていた。そんな会社の株価は、当然下がっていく。
ただ僕は、「ドリキャスを生産中止にしてソフトをソニーのプレステ(プレイステーション)に提供すれば、絶対儲かる」という確信に近い思いがあった。なぜならドリキャスには、いいソフトがいっぱいあったからだ。それは、実際にドリキャスのゲームをプレイしていた僕だからこそわかることだった。
セガは頑なにソニーのプレステにソフトを流すことを拒否していたけれど、業績を立て直すためには、「それ以外の選択肢は、どう考えてもないだろう」と僕は思っていた。また、ドリキャスを自分でプレイしているからこそ、「最近、新しいソフトが出なくなってきたな……」という変化も敏感に感じとっていた。
そこで僕は、1株700円くらいのタイミングで、家庭教師のアルバイトで稼いだ50万円をすべてセガ株に投資した。
ちなみに「医学生」という肩書きがあれば、当時は時給900円がせいぜいだったところ、時給3000円程度で家庭教師のアルバイトができた。だから、小銭を稼ぐのは、そう難しいことではなかった。広島では「広島大学医学部」の学生が偏差値的にはダントツだったから、家庭教師の需要はすごく多かったんだ。
セガ株に投資したところ、案の定、ドリキャスからの撤退とプレステへのソフト供給が発表され、株価が一気に3倍以上になった。
これが株式投資での最初の成功体験だ。
君たちも最初に投資するなら、たとえばゲームやエンタメ、アパレルなど、自分がよく知っている会社や業界の株を狙ってみてもいいかもしれないね。