「これは買いだ!」とアイフル株に投資できたのはなぜか(写真:イメージマート)
元手50万円から投資を始め、現在の資産は80億円を突破したという、現役麻酔科医の個人投資家・たーちゃん氏(50)。有望株に集中投資するスタイルで、30代には資産6億円まで膨らんだ。その後、資産6億円突破のきっかけとなったのが、消費者金融大手・アイフルへの投資だったという。消費者金融業界が逆風に見舞われていた当時、なぜアイフル株を買ったのか。
たーちゃん氏がステージ4のがんと診断され余命宣告も受けた中、ふたりの愛娘に向けて書いた著書『50万円を50億円に増やした 投資家の父から娘への教え』より一部抜粋・再構成して紹介する。
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投資で、ちゃんと結果を出した。暴落時に買った株は、わりと短期間で2倍株になり、その売却益だけで、余裕で結婚式を挙げられた。
そこからは、投資が順調になった。2009年に買ったアークランドサービス(現 アークランドサービスホールディングス:2023年上場廃止)、神戸物産(3038)株を売却したことで、資産2億円に。そして2013年に売却したアイフル(8515)株によって、30代にして資産6億円に膨らんだ。
消費者金融大手のアイフルは、親として君たちが一生お世話にならないことを祈る会社だが、株では本当に儲けさせてもらった。君たちは知らないと思うけれど「武富士」という消費者金融も有名で、レオタード姿の女性が踊るCM、いわゆる“武富士ダンサーズ”のCMは、1991年から2010年まで流れていて人気を博していた。
そんな武富士も2010年9月、東京地方裁判所に会社更生法の適用を申請し、事実上の倒産となった。倒産したのは、利用者が過去に払いすぎていた利息(過払い金)の返還請求が経営を圧迫したからだった。
アイフルも同じような状況で、おまけに社債(資金調達のために発行する債券で、投資家から資金を借り入れる負債)の利回りも高すぎた。だから、アイフルも武富士に続いて倒産するのではないかと見られていた。その悲観的な見方から、2011年はアイフルの株価が1株100円にも満たない低水準をうろうろしていた。
けれど、ふと2012年の第1四半期の決算を見てみると、ちゃんと「営業利益」が出ている。「ひょっとしたら、これから業績が伸びるかも」と目星をつけていたところ、第2四半期もやはり好決算だった。
そこで「やっぱり業績が伸びている、これは買いだ!」と、かなりの金額をアイフル株に突っ込んだ。家族や親戚にも「いまは絶対にアイフル株が買いだ!」とすすめまくり、親族総出で買ったくらいだ。
すると1株220円くらいで買った株が、2013年5月には1600円を超え、わずか半年で実に7倍になった。