「1億円を突破すると、その後は複利が効いてどんどん膨らむ」
10年間の投資の成果がすべて消えたわけだが、そこでやめようとは思わなかったのか。
「それが、思わなかったんですね。株取引が好きだったんです。むしろ、これをいい経験に変えようと思いました。それまでは『投資手帖』ばかりに頼ってやってきたのですが、それでは勝てない。相場と向き合い、自分と向き合うことで、他人から教えてもらった銘柄を考えもせず買うというのではなく、地道に勉強して、ちゃんとファンダメンタルズ分析とテクニカル分析をして、自分で銘柄を見つけるスタイルに変えました。この時が転換点だったと思います」
株式投資に関する本を読み漁り、一から勉強し直したという。同じ頃、放送作家の仕事を続けながら、広告やイベントのコンサルティング会社を立ち上げた。事業を手がけながらも、株式投資も手を抜くことはなかった。
「2012年からアベノミクスが始まり、2018年くらいまで株価が上がり続けて、一気に資産が増えて1億円を突破しました。私と同年代の個人投資家である、テスタさんやかぶ1000さんも、この時期に増やしています。市場の98%の銘柄が上がったので、普通に投資していても負けない時期でした。1億円を突破すると、その後は複利が効いてどんどん膨らむので、現在の資産は6億円くらいになっています」
リーマンショックの後のチャイナショックでも躓いたが、その後は「ほとんど負けなしで、資産は膨張し続けた」という上岡氏は、現在どんな銘柄に注目しているのか。関連記事『《資産6億円の上岡正明氏が厳選》長期保有で値上がりが期待できる割安銘柄6選 価格転嫁の余地が残されている製紙業界、生成AIの普及で高まる電力需要が追い風の企業も』の一覧表で詳しく語っている。
【プロフィール】
上岡正明(かみおか・まさあき)/1975年生まれ。宣伝広報、イベント企画などのコンサルティング会社、(株)フロンティアコンサルティングの代表取締役にして投資家。大手メディアで経済記者・経済コメンテーターを務める傍ら、株式投資に関する著書はのべ26冊を数え、累計105万部に達している。大学時代に放送作家をして稼いだ資金200万円を原資に投資を始め、現在の資産は6億円。株式投資情報を発信するYouTubeチャンネル登録者は30万人、Xのフォロワーは8万人を誇る。
公式Youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/@kamioka01
公式X:https://x.com/kamioka01
取材・文/清水典之