*11:03JST 飯野海運 Research Memo(3):海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と不動産業が両輪
■飯野海運<9119>の事業概要
1. 事業の概要
同社は、資源・エネルギー輸送を主力とする海運業(外航海運業、内航・近海海運業)と、本社の飯野ビルディング(東京都千代田区)を主力とするオフィスビル賃貸の不動産業を両輪として事業展開している。海運業の業績は海運市況、燃料油価格、為替、新造船竣工、売船、入渠などの影響により大きく変動する傾向がある。同社の海運業の特徴として、市況変動の影響を受けにくい中長期契約と市況の影響を受けるスポット契約を組み合わせ、収益の最大化を図っている。不動産業の業績は賃貸ビル取得・売却、賃料・空室率、設備更新・営繕費用などの影響を受けるが、海運業に比べると変動が少なく、高利益率の安定収益源となっている。
過去5期(2021年3月期〜2025年3月期)のセグメント別業績では、海運業は2023年3月期〜2025年3月期に海運市況と為替が収益を大幅に押し上げた。不動産業は売上高、営業利益ともに大きな変動はなく、おおむね堅調に推移している。なお2025年3月期の連結売上高構成比は外航海運業が82.8%、内航・近海海運業が8.0%、不動産業が9.2%、連結営業利益構成比は外航海運業が77.1%、内航・近海海運業が2.7%、不動産業が20.2%、連結営業利益率は外航海運業が11.2%、内航・近海海運業が4.0%、不動産業が26.4%となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)
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