*12:10JST ソフト99 Research Memo(10):海外向けカー用品と半導体製造ライン用産業資材の今後の成長に期待(2)
■ソフト99コーポレーション<4464>の今後の見通し
(3) ポーラスマテリアル事業
ポーラスマテリアル事業の業績は当初目標に対して売上高を30百万円引き下げたものの、営業利益は670百万円増額した。売上高は半導体向け製品が想定を上回るペースで伸びているものの、医療分野の下振れが減額要因となっている。経営環境が厳しくコスト削減に取り組む医療施設が増えるなかで、アズテックの商材に関して買い控えが生じていること、また、3年間で4件の受注を計画していた医療施設向け焼却炉の仕入販売も1件に留まる見込みとなったことが要因だ。ただ、利益面では販売ミックスの改善や、工場の稼働率が高水準で推移していることによる原価率の改善により、当初目標を大幅に上回る見込みである。
当面は半導体製造の洗浄工程で用いられるブラシローラーがけん引するものと見られる。PVAスポンジの特徴である多孔質構造による高い吸水能力と弾力性、耐摩耗性を持つ同社のブラシローラーは、サブミクロンレベルの微細なパーティクルを効率的に除去する突起形状で設計されており、先端半導体向けでは米企業とシェアを二分している。主に台湾の大手ファウンドリーメーカーや韓国のメモリメーカー向けに伸びているが、日本でもRapidus(株)が2027年度に2nm世代の最先端半導体の量産開始に向けた準備を進めており、今後の需要増加が見込まれる。さらには、中国向けについても既述のとおり米中摩擦が続くなかで、シェアを拡大する好機と見られる。
2020年以降の世界半導体出荷額と同社の産業資材(輸出)売上高の成長率を見ると相関が高く、4年間の年平均成長率では世界半導体出荷額が9.4%成長であったのに対して、産業資材(輸出)の売上高は15.4%であった。この間の成長率の差は、同社が高シェアを握る生成AI向け先端半導体の急成長が主因と思われる。世界の半導体市場は中期的に年率8%前後の市場成長が見込まれているが、先端分野の半導体については今後も同等以上の伸びが期待でき、同社製品も市場シェアの維持を前提に年率10%前後の成長が続く可能性は十分にあると弊社では見ている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)
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