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TOEFL“訪日カンニングツアー”を手掛ける中国業者に接触 「複数のパターンの試験問題と答案を入手」と説明、中国からの費用は80万~160万円、替え玉なら400万円

 不正受験ツアーの金額には業者によって差があり、8万元(約160万円)を提示する業者もいた。試験問題を早く入手できる業者ほど費用は高額となっているようだ。

 業者はこう説明した後、さらに別の提案も。

「弊社では“大自拍”による点数保証も行なっています。その場合、試験会場はドバイ、オマーン、アフリカでの対応となり、費用は18万~20万元(360万~400万円)ほどかかります」

“大自拍(ダーズーパイ)”とは中国語の隠語で「替え玉受験」を意味する単語である。

 業者の説明によると、中東やアフリカの一部の試験会場ではTOEIC不正事件同様、替え玉による不正受験が可能で、現地の試験運営関係者と“契約”をしているため、不正行為が発覚するリスクはないという。日本でもその制度で受験できるか尋ねると「日本の試験運営関係者とは“契約”がないため、替え玉受験は行なっていない」と説明された。

 業者は説明を終えると、こちら側の信用を得るためか自身の会社の法人登記の写真やオフィスの動画などを送ってきた。

 オフィスの住所は北京市内となっており、企業名からは国際教育事業を行なっている印象を与えるが、こちらに説明した内容は不正受験の斡旋にほかならない。

(第3回に続く)

【プロフィール】
廣瀬大介(ひろせ・だいすけ)/1986年生まれ、東京都出身。フリーライター。明治大学を卒業後、中国の重慶大学に留学。メディア論を学び2012年帰国。フリーランスとして週刊誌やウェブメディアで中国の社会問題や在日中国人の実態などについて情報を発信している。

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 関連記事《【独走追及】中国人の「訪日カンニングツアー」次の標的はTOEFL 「ホテル代込みで80万~160万円」「替え玉なら400万円」…不正業者が語った新たな手口とは》では、中国人業者に取材であることを告げ、違法性の認識について問うた際のやりとりなどについて、詳細にレポートしている。

※週刊ポスト2025年8月1日号

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