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FiscoNews

【注目トピックス 日本株】スパークス G Research Memo(4):複数の投資戦略を展開、着実な後継ファンド組成で運用資産残高拡大を図る

*12:04JST スパークス G Research Memo(4):複数の投資戦略を展開、着実な後継ファンド組成で運用資産残高拡大を図る
■スパークス・グループ<8739>の会社概要

(3) プライベート・エクイティ
スパークス・アセット・マネジメント(株)、スパークス・インベストメント(株)が、「知能化技術」「ロボティクス」「水素社会実現に資する技術」「電動化」「新素材」「カーボンニュートラル」などの切り口から国内外のベンチャー企業への投資・運用を行っている。ベンチャー企業への投資が実るまでには長期の時間を要するものの、Sansan<4443>(2019年6月上場)、メドレー<4480>(同年12月上場)、フリー<4478>(同年12月上場)、FIXER<5129>(2022年9月上場)などのベンチャー企業に投資を行い、新規株式公開(IPO)を果たした。

同社のプライベート・エクイティでは、異なる成長領域に焦点を当てた3つの投資戦略を展開している。(1)先端技術や次世代インフラを対象とする「未来創生ファンド」、(2)宇宙関連産業に特化した「宇宙フロンティアファンド」、(3)日本の製造業の高度化・革新を支援する「日本モノづくり未来ファンド」である。いずれも中長期的な視点から成長余地の大きい分野にリスクマネーを供給している。同社は、これら複数のファンドを同時並行的に運用することにより投資戦略を複線化しており、各ファンドが順次EXITを迎えることにより一時的に運用資産残高が減少するリスクを、新規ファンドの組成により平準化・相殺し、全体として継続的な運用資産残高の成長を実現することができる運用体制を構築している。投資テーマの多様化及びファンドのライフサイクルを適切に組み合わせることにより、運用資産の安定的な拡大を図っている。

大手企業と共同でファンドを組成していることも特徴の1つだ。一例を挙げると、2021年10月より運用を開始した「未来創生3号ファンド」では、トヨタ自動車<7203>や三井住友銀行<8316>が出資者として名を連ねている。2024年4月には宇宙フロンティア2号ファンドを設立しており、同じくトヨタ自動車(株)や三菱UFJ銀行<8306>、(株)三井住友銀行、みずほ銀行<8411>、三菱重工業<7011>、三井住友信託銀行(株)、(株)日本政策投資銀行などの大手企業が出資者として参画している。徹底した個別企業調査と優れた仮説構築能力によって大手企業からの出資が実現していると、弊社では評価している。実際、国内ベンチャーキャピタルの資金調達規模ランキングにおいて、同社は3位の位置につけている。さらに、これらのファンドは運用期間が10年であり、その間実質的に解約がないため、実物資産と同様に安定的な収益が見込まれる。現政権が2022年策定した「スタートアップ育成5か年計画」によると、2027年までにスタートアップ企業への投資額を計画策定時の10倍の10兆円規模とすることを目標としている。海外と比較すると現時点では小規模ではあるものの、政府がスタートアップ支援を打ち出していることに加えて、収益性の高い戦略でもあることから、同投資戦略に対する注目度は高まっていくと推察される。特に、同社が注力している宇宙分野に関しては、安全保障強化という観点から国が「宇宙戦略基金」を設け、企業や大学に10年で1兆円規模の拠出をすることを目指している。政府が様々なベンチャー企業育成方針を打ち出すなか、ベンチャー企業の裾野と規模が拡大し、市場自体がさらに成長していくことが期待される。こうした流れを踏まえると、同社の戦略に対して投資家からの資金流入も加速する可能性が十分にあると弊社は見ている。

「プライベート・エクイティ」は同社グループが強みを発揮できる分野であり、伸ばすことを考えている分野でもある。「顧客が気付いていない新たな投資領域を創造する」ことで成長を築き上げてきた同社グループにとって、「プライベート・エクイティ」は本質を体現している分野の1つであると弊社では考えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)

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