*13:09JST 橋本総業HD Research Memo(9):住宅設備機器類と空調機器・ポンプが特に好調
■橋本総業ホールディングス<7570>の業績動向
2. セグメント別の業績動向
セグメント別の状況は、すべてのセグメントで増収増益となった。特に住宅設備機器類と空調機器・ポンプは好調だった。
管材類では、住宅分野は、戸建新築需要が低迷した一方で賃貸住宅向けの需要が好調に推移したことにより前期並み、非住宅分野は、第3四半期以降に半導体関連、倉庫、データセンターなどの設備投資の需要が減少した。加えて値上げによる金属管材類の需要減少もあったが、施工性や耐震性に優れ性能が日々向上している樹脂管材類の需要が増加したため、管材類全体で増収・微増益となった。衛生陶器・金具類は、非住宅分野で、大規模から中小規模まで新築案件が減少し、リニューアルも大規模の更新物件が減少したが、住宅分野では、新設着工戸数が減少した一方で住宅のリフォーム需要が増加、高付加価値商品へのニーズが高まった。この結果、衛生陶器・金具類は増収増益となった。
住宅設備機器類では、給湯機器類で、主力商品であるガス・石油給湯器の高付加価値商材の需要が増加、取替需要も発生した。エコキュートは、補助金の影響やランニングコストの削減を目的に、石油からの取替需要が増加した。キッチン設備は、高価格帯商品は増加したが、中・低価格帯商品がリフォーム需要の減少に伴って低迷した。住宅設備機器類では、メーカーの高価格帯商品の開発やショールームでの商談会開催などを背景に高価格帯が好調に推移したが、賃貸物件向けなど低価格帯と2極化した。この結果、住宅設備機器類全体で増収・2ケタ増益となった。空調機器・ポンプでは、2025年4月より新設用ビル用マルチエアコンに低GWP(地球温暖化係数)冷媒の使用が義務付けられたため業務用空調機で駆け込み需要が発生、一方、家庭用換気、空調機器類では電気代高騰の影響により省エネ機器類の需要が増加した。特に近年の猛暑の影響で北海道での空調機器需要が高まっており、特に熱中症対策として学校の教室や体育館向けに需要が伸びている。標準ポンプ類は、都市部の給水ユニット類の需要が減少した一方、産業用ポンプの需要が増加した。この結果、空調機器・ポンプは2ケタの増収増益となった。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
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