先週の日経平均は週間で656.63円安
投資情報会社・フィスコが、株式市場の7月28日~8月1日の動きを振り返りつつ、8月4日~8月8日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で656.63円安(-1.58%)の40799.60円で取引を終了。週初は、トランプ米大統領が欧州連合(EU)との貿易交渉で合意したと発表したものの、事前に期待感が先行していたこともあって、利益確定売りが優勢となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀金融政策決定会合を控えて、週半ばにかけても上値の重い動きが続いた。週後半にかけては、好決算発表銘柄を中心とした押し目買いが優勢となる場面もあったが、週末には、一部半導体関連銘柄の大幅安が重しとなり、再度伸び悩む形になっている。
7月29-30日にかけて開催された米FOMCでは、市場予想通りに5会合連続での政策金利据え置きが決定された。副議長ら2人が利下げを求め反対票を投じる状況にはなったが、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長は会見で、インフレ率が目標に戻っておらず、労働市場も依然として逼迫しているとの見方を示すなど、想定以上にタカ派的なスタンスを示した。9月利下げ期待がやや後退する状況へとつながっている。
一方、30-31日に開催された日銀金融政策決定会合においても、4会合連続での金利据え置きが決まった。植田日銀総裁は、「各国の通商政策の展開や影響を巡る不確実性が高い状況が続いている」とも強調し、市場ではややハト派との受け止めも広がったもよう。日米金融イベントを通過した週末にかけて、ドル/円相場は150円台後半にまで上昇している。
なお、7月第4週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を5715億円買い越したほか、先物は5600億円買い越し、合計1兆1315億円の買い越しとなった。15週連続での買い越しとなっている。一方、個人投資家は現物を1兆1788億円売り越すなど、合計1兆1165億円の売り越しとなっている。ほか、信託も2015億円の売り越しだった。
先週からは一転し、今週は国内外で注目イベントが少なくなる。先週のFOMCを受けてやや後退してきている米国9月利下げの有無などを探る動きが中心となりそうだ。この観点では、雇用統計や今週のISM非製造業景気指数、NY連銀の消費者調査によるインフレ期待などが焦点となろう。現状では、関税を海外企業が負担している割合が多いとみられる中、インフレは高まりにくいとみられるが、こうした状況が今後変化していく可能性はあり、早期の利下げ実施に対するFRBの慎重ムードも崩れにくいと考えられる。米グロース株変調の可能性などはリスク要因となりそうだ。
日本株にとっては、1ドル=150円台にまで進んだ円安が支援材料となろう。半導体関連株の不安定感が強まっている状況下ではあるが、直近では関税率の引き下げも決定していることで、目先は自動車関連株に牽引役としての期待が持てそうだ。米相互関税の引き下げは7日に発動(自動車は現在未定)する一方、今後も半導体や医薬品などの関税が発表される見込みだが、あらためてリスク回避の円高につながるような展開にはならないだろう。
ほか、週末には自民党の両院議員総会が開催される予定となっており、石破首相の退陣思惑などがより強まる可能性もあろう。財政拡張派とされる新総理候補などがクローズアップされる状況となれば、日本株固有の上昇要因になっていく公算。なお、3連休かつお盆休みシーズンを控える週末に向けては、短期的なポジション整理の動きが強まる余地もあろう。