「決して相場を読んで投資判断をしているわけではない」
では、なぜ「機関投資家は強い」というイメージがあるのか。それを読み解く鍵が「資金管理」だ。
「機関投資家は株や債券の組み入れ比率が決まっているので、株価が上がって構成比率が高まれば売るし、逆に株価が下がれば構成比率を維持しようと買い増す。簡単にいえば、株を買っていい金額が全体の3割だとすれば、株価が上がって5割になると、増えた2割分を売る。逆に株価が下がって全体の1割しかならなくなりそうだったら、3割になるように買う。
その資金管理をほぼ自動的に行なっているため、結果的に株価の安い底値圏で拾って、高い天井圏で売り抜くことができるわけです。決して相場を読んで投資判断をしているのではなく、値動きに合わせて資金を動かしている。だから強いといわれるし、それが個人投資家との違いです」
そのうえで藤井氏はこう続ける。
「そもそも機関投資家は『バイ・アンド・ホールド』が基本で、買って持ち続けて年間8%くらいのパフォーマンス(利回り)を目指していますが、それ以上のパフォーマンスを出している個人投資家は少なくありません。
第一、個人投資家であれば常に株を目一杯売り買いする必要はありません。株が上がったら売る、ここが安値でこの先上がりそうだと判断したら買う、それができないのであれば手を出さない──。みすみす損をするくらいなら、何もしない方という選択もできるので、これは機関投資家にはない個人投資家ならではのメリットと言えるでしょう」
では、ベンチマークに勝てる強い投資家になるにはどうすればよいのか。マネーポストWEBの関連記事『俺がカブ番長!』では、藤井氏監修のもと、勝てる投資家になるためのあらゆる手段をコミック形式で紹介している。第1回では、株式市場の大底サインの見分け方について詳細に解説している。