個人投資家が真に戦うべき相手とは(写真:イメージマート)
巨額の資金を運用する機関投資家と比べて、個人投資家は市場で圧倒的に不利だと考える人は少なくないのではないか。だが、「個人投資家が戦うべき相手は機関投資家ではない」と言うのは、個人投資家向けレポートを提供するカブ知恵代表・藤井英敏氏だ。
2008~2009年にかけて雑誌『マネーポスト』誌上で連載された情報量満載の株コミック『俺がカブ番長!RETURNS』の監修を担当した藤井氏は、個人投資家ならではの強みについてどう考えているのか。
「そもそも儲けているのは、ヘッジファンドや機関投資家ばかりではありません。機関投資家というのは『ベンチマーク』にすら勝てないところがほとんどなのです。となると、個人投資家が真に戦うべき相手は『ベンチマーク』と言えるでしょう」(藤井氏・以下同)
ベンチマークとは、機関投資家が運用成績を判断するための基準となる指標のこと。日本株においては、「東証株価指数(TOPIX)」や「日経平均株価」など、市場全体の値動きを表わす指数が用いられる。最近では、読売新聞社が算出する「読売株価指数(読売333)」なども注目を集めている。
「個人投資家と異なり、他人から預かった資金を運用する機関投資家は多少負けても痛くない。たとえ絶対的なプラスにならなくとも、いかにベンチマークに負けなかったかを証明できればいい。彼らが勝負しているのはベンチマークであり、例えばTOPIXが10%下がった時に自分のファンドが9%しか下がらなければ1%の勝ちとなるのです」