20万円で10社の優待株で恩恵を受ける投資法
買うタイミング、売るタイミングを分散しやすいのも5万円台以下の株のメリットと、桐谷氏は指摘する。
「私は調整などで株価が下がって利回りが上昇したタイミングで株を買うようにしていますが、小分けに買ったり売ったりしやすいのも5万円株のいいところです。5万円台以下の優待株を優待権利取得に必要な100株だけ買うという手もありますし、その株が気に入れば、200株、300株、400株と、100株ずつ複数回に分けて買い増ししていくことがしやすいのも少額で投資できる株のよさです。
優待株は権利取得日が近づくに従って株価が上がっていく傾向がありますから、優待をもらうために100株だけはずっと保有を続け、一部は株価上昇のタイミングで100株ずつ売却して値上がり益を狙うという投資法も有効です。こうしたことが少額でできるのが非常に大きな魅力と思います」
では、桐谷氏はどのように有望な優待株を選んでいるのか。
「株というのは安い時に買うのがいいんです。自分がいいなと思う優待株があったら、私は安くなるまで待っています。いい優待株はたくさんありますが、割高な優待株は避けています。私の銘柄選びの基準である『株主優待と配当を合わせた総合利回りが4%以上』に合格していれば、割安と判断しています」
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【プロフィール】
桐谷広人(きりたに・ひろと)/1949年生まれ、広島県出身。個人投資家。現役プロ棋士時代の1984年から株式投資を始め、「財テク棋士」と呼ばれる。バブル崩壊、ライブドア・ショック、サブプライム・ショック、リーマン・ショックと様々な相場も経験。優待投資家として注目を集め、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)などテレビ出演で全国的に大人気に。現在、優待と配当で賄う生活を楽しみながら、各種メディア、講演などで活躍中。株式投資で築いた資産は2025年時点で約6億円。
取材・文/上田千春