資産100億円超えの女性大株主の素顔とは(時事通信フォト、Getty Images)
他の先進諸国に比べて男女格差が大きいと指摘されてきた日本企業において女性役員の比率が徐々に高まってきている。『取締役会のジェンダーバランス調査(2024年度版)』(日本総合研究所)によると、東証プライム上場各社の女性役員比率は前年比2.8ポイント増の16.4%だった。
女性起業家の台頭や企業の役員登用が進み、高額な役員報酬を受け取ったり、大きな時価総額の株式を保有したりする「女性大富豪」も増えてきた。本誌『週刊ポスト』は企業価値検索サービス「Ullet(ユーレット)」協力のもと、有価証券報告書の記載などをもとに、保有株の時価総額が100億円以上の女性を調べた。
1位は半導体企業・レーザーテックの保有株時価総額が約1240億円の前田せつ子氏。同社株を上場当時から長年所有するが、兜町では謎の女性株長者として知られ、「創業家の内山家の親族とみられる」(経済部記者)とされてきた(同社は取材に親族かどうか「回答できない」とした)。以下、注目の顔ぶれを見てみよう。
社長候補の夫が急逝
5位のパーソルテンプスタッフ創業者の篠原欣子氏(保有時価総額758億円)は米経済誌『フォーブス』(2017年)の“一代で10億ドル以上の資産を築いた女性長者”に日本人で初めて名を連ねた起業家の先駆け的存在だ。
夫と会社を設立し、大きく育てたのが7位のオービック元相談役の野田みづき氏(保有時価総額750億円)。創業者で会長の夫・順弘氏とともに多数の競走馬の馬主としても知られる。世代は違うが、同じく夫と会社を設立したのが43位の瀬戸早苗氏(保有時価総額105億円)。
「“結果にコミットする”で有名なダイエットのライザップを夫の健氏とともに立ち上げ、出産後は子供を連れてロスに教育移住しました。現在は自らの会社を立ち上げ、起業や育児、海外移住などについての講演も行なっています」(経済ジャーナリストの福田俊之氏)