どこまでがマナー違反か(写真:イメージマート)
映画『鬼滅の刃 無限城編』や『国宝』などのヒットで、映画館に足を運ぶ人も増えている。そうしたなかで頻繁に話題にのぼるのが、映画館のマナー問題だ。映画本編上映前にスクリーンでも注意喚起されるが、SNSでは依然として上映中のおしゃべり、スマホ使用、座席を蹴るといった迷惑行為が横行している様子が投稿され、物議をかもしている。
そうした一部の観客のマナー違反には、映画館側も苦慮している様子がうかがえる。「T・ジョイPRINCE品川」は8月12日、「一部のお客様の鑑賞マナーにより、最適な鑑賞環境をご提供できない状況にございました。映画鑑賞を楽しみにご来場いただいたにも関わらず、ご不快な思いをさせてしまい誠に申し訳ございません」と謝罪文を掲載している。劇場スタッフが繰り返し注意したものの、スマホを点灯させ続け、周囲に迷惑をかけた客がいたというのだ。
こうした明らかな迷惑行為は別にしても、当人が“許容範囲”と思っている行動が、知らず知らずのうちに周囲の観客に迷惑をかけているケースもあるだろう。難しいのは、どこまでがマナー違反かという線引きの意識だ。映画館で同行者の無自覚な行為に不満を持った人たちの声を集めた。
上映中に靴を脱いで体操座り
都内のヘアサロンに勤務するスタイリストの女性・Aさん(20代)は、一緒に映画を観に行った友人の上映中の振る舞いに「ドン引き」したという。
「以前、女友達と一緒に映画を観に行ったのですが、彼女が上映中に靴を脱いであぐらをかいたり、体操座りするような姿勢で映画を観ていたんです。正直、私の常識的にはあり得ないことで、かなりドン引きしましたね。
しかも、途中で靴下のまま地面に足をつけて、また体操座りをするなど、終始もぞもぞと足を動かしていました。こっちは集中して映画を楽しみたいのに、気になってしまって……。そもそも衛生観念が違うのだと思います。足が臭くなかったのでまだ我慢できましたが、もし臭かったら友人を辞めていたかもしれませんよ(笑)」(Aさん)