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「パート先の上司が私の個人情報を言いふらして困っています!」刑事責任を問うことはできるのか? 損害賠償請求は可能か? 本社の責任は? 弁護士が解説

 パワハラは、職場における優越的関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、その雇用する労働者の就業環境が害されることをいいます。上司の言いふらしで精神的苦痛を受けたあなたにとっては、職場に不快感を覚えると思います。その結果、能力の発揮に重大な悪影響が生じていれば就業環境の支障であり、パワハラです。悪影響の程度は平均的な労働者がパワハラを受けたときの感じ方が基準になりますが、あなたの場合はパワハラの1つである「個の侵害」に該当すると思います。

 法は事業主にパワハラ被害者からの相談窓口を設置することを義務づけていますから、本社に対応を求めることができます。

 次に上司の言動は、あなたのプライバシーを侵害し、あなたに精神的苦痛を与える不法行為になりますから、上司に対し、民事の損害賠償として慰謝料の請求が可能です。金額はその程度によりますが、さほど高額にはならないでしょう。なお、刑事責任を問うことはできません。

 本社の責任についてですが、上司が執務時間中に業務をしながらこうした言動をしていれば、本社に対しても使用者責任を追及できます。終業後の歓談中などの私的な言動であっても、仮に上司が職場の人事記録など会社の資料であなたの個人情報を見て言いふらしているとすれば、会社の個人情報管理に問題があったといわざるを得ず、この点でも責任追及を検討できます。

【プロフィール】
竹下正己/1946年大阪生まれ。東京大学法学部卒業。1971年弁護士登録。射手座・B型。

※女性セブン2025年10月30日号

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