先週の日経平均は週間で100.16円高
投資情報会社・フィスコが、株式市場の11月10日~11月14日の動きを振り返りつつ、11月17日~11月21日の相場見通しを解説する。
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先週の日経平均は週間で100.16円高(+0.20%)の50376.53円で取引を終了。米政府機関の閉鎖解除期待が高まったことで週初から押し目買いの動きが先行。その後も閉鎖解除に向けた動きの進展で底堅い動きを続けたが、13日にはトランプ大統領の署名で政府機関が再開することとなったものの、直後は出尽くし感が優勢の形になっている。
7-9月期決算発表の本格化で個別物色主導の展開とはなったが、米AI関連株の高値警戒感は引き続き全体相場の上値を抑える要因となっている。また、連邦準備制度理事会(FRB)高官のタカ派発言を受け、米国での利下げ継続期待が後退したこともあって、週末の日経平均はハイテク株主導で一時1,000円超の下落になった。とりわけ、ソフトバンクGの株価下落が先週の指数上昇を抑制する形となった格好。
なお、11月第1週の投資主体別売買動向によると、外国人投資家は現物を3214億円売り越した一方、先物は売り買い均衡で、合計3214億円の売り越しとなった。2週連続での売り越しとなる。個人投資家は現物を5195億円買い越すなど、合計で4889億円の買い越しとなっている。ほか、投信が2182億円の買い越しとなり、都地銀は1400億円の売り越しだった。
今週は19日に予定されているエヌビディアの決算が最注目イベントとなろう。米IT大手の一角が、出尽くし感台頭も含めて決算発表後に大きく下落していることもあり、決算発表後の株価動向が警戒される。10月高値からは10%程度下落した水準にあるとはいえ、決算発表後に再度売り圧力が強まるような展開になれば、他の米IT関連株への波及を通して、国内AI・半導体関連株のムードも悪化させることになる。想定以上の好決算発表が好感されれば、関連銘柄の雰囲気を一変させようが、現状ではかなりハードルが高い印象は残る。少なくても、エヌビディアの決算発表までは、国内関連株には換金売りの動きが優勢とはなりそうだ。
一方、国内では、先週末で7-9月期の決算発表が一巡することになり、今週は一転して個別物色の手掛かり材料が乏しくなってくる。全般的に、今回の決算に対する警戒感が先行していたわけではなく、決算発表の一巡は総じて、増配や自社株買いなども含め、好材料の表面化機会の減少と捉えられる流れとなっていくだろう。ただし、決算発表を受けてエヌビディアが上昇するような展開となっていけば、出尽くし感の強まりを背景に利食い売りが先行する形となった国内のAI・半導体関連株などは、格好の押し目買い局面を迎えることになる。
