優位性あるルールを、淡々と継続するのが最速の勝ち方
この資金管理ルールを守ることは非常に重要です。FXを「プロ野球」に例えると、プロ野球は、「1回負けたら終わり」というトーナメント方式(高校野球の甲子園のような)ではなく、年間約140試合のトータルの結果で争うペナントレース、つまり長期戦になります。
この長期戦の中では、1回のトレードでFIREが大きく進むわけではなく、何十回・何百回のトレードを重ねて、トータルで勝ちを積み重ねて、FIREへの到達を目指します。そのため、ペナントレースと同じく、途中経過の中で「負け試合」も当然発生してくることになります。
プロ野球のペナントレースが面白いのは、「勝率55%」くらいのチームが優勝することも珍しくない点です。「140勝0敗を目指そう」という考え方は、不要なのです。勝ち試合をどのように獲るか、ということも重要だし、同じくらい、負け試合を許容して、それをどのようなペースで配置していくか、という長期的視野も大切です。このあたりがFXと共通します。
ここで資金管理に話を戻すと、「資金管理ルールを破り、全力ロットでイチかバチかトレードする」ことは、野球で言えば、「たった1つの勝ち星を獲るために、投手や打者にケガをさせてまで、1試合で全部使い切る」そんな方法である、ということです。
主力選手を酷使して、ケガ人が続出して、残り139試合をどうやって勝ちましょう……となりますね。最終戦ならともかく、シーズン開始序盤で、そんなことをするプロ野球チームはないでしょう。
もし、優勝できる精鋭メンバーが揃っているのであれば、たった1つの勝ちに執着せず、年間を通して、ケガ人を出すことなく、淡々と実力を発揮した方が優勝の確率が高まりますよね? FXもこれと全く同じ。
せっかく勝てる、優位性のある手法・実力があるのであれば、1トレードに賭けて資金を全部溶かす必要性は全くありません。資金管理2%ルールを守り、大ケガすることなく、淡々とFXを続けることが、実は最大・最速のお金の増やし方になります。
少し迂遠な例え話になりましたが、「資金管理2%ルールを破り、イチかバチかのロットで勝負→FXから一発退場」ということは、個人トレーダーがFXをやめてしまう原因の、おそらくTOP3に入るものです。
あなたにはそうした悲しいトレードを経験してほしくありません。やぶれかぶれになり、「ドカンとロットを張って一発逆転だ」と、そんな感情が出てきた際は、このペナントレースの例え話を思い出してほしいと思います。
※加藤ムネヒサ・著『元手30万円からわずか3年でFIREを叶える爆益トレード 黄金のスキャルピングFX』(KADOKAWA)より一部抜粋して再構成
【プロフィール】
加藤ムネヒサ/専業トレーダー。1982年、香川県生まれ。一橋大学商学部卒。大手保険会社入社後、経済的自由を夢見てFXを始めるも、自動売買で250万円の損失を出す。4年間FXで負け続けるが、毎日3時間、過去チャートを検証して独自の手法を開発し、月収100万円と年利300%を達成。FX5年目に独立を果たす。2016年にはYouTube「FXゴールドナビ」を開設。新著『元手30万円からわずか3年でFIREを叶える爆益トレード 黄金のスキャルピングFX』(KADOKAWA刊)が話題。関連記事では、加藤氏の最新インタビュー記事を掲載。自身が実践する「ゴールデン手法」や「儲けを狙える2つのチャンスタイム」について、詳しく解説している。