成功した個人投資家の失敗談には多くの“学び”がある(イメージ)
株式投資で大きな資産を築いた個人投資家は、そこに至るまでにどのような失敗を経験しているのか。個人投資家交流会とIRセミナーを運営する「Kabu Berry」主宰者である元金融機関勤務のyamaさん(47)は、自己資金50万円で株式投資を始めたものの、10年間は失敗続きだったという。
それでも投資の道から逃げることなく、数百万円の損失を出しながらも銘柄研究を重ね、「市場の予想を超えて成長する可能性を持つ割安中小株」への投資手法を確立した。IPO(新規公開株式)のセカンダリー投資も得意とするyamaさんが、大きな資産を築くまでに経験した失敗談を語ってくれた。
「株式投資を始めたばかりの頃、イー・トレード証券(現在のSBIホールディングス/東証プレミアム・8473)への投資に失敗して資金が4分の1になるという痛手を被りましたが、その後も、有名個人投資家が推奨する株を購入しては失敗するという状態が4年ほど続きました」(以下「」内はyamaさんのコメント)
「投資は向いていないのではないか」
2012年末に第2次安倍内閣が誕生し、“アベノミクス”で株式市場が活性化すると、yamaさんは当時話題になっていた「高値ブレイク投資法」(高値を更新した銘柄を買い、さらに高値で売る投資法)に従い、東証二部(当時)に上場したばかりの愛知の葬儀会社・ティア(現・東証スタンダード・2485)を買い、15万円ほどの利益を確定させた。
「次に日経平均は上がりすぎでこれからしばらくは下がるのではないかと思い、日経平均がまだ1万3000円台だった2013年に日経ダブルインバース上場投信(日経平均が1%下がれば2%利益が出て、1%上がれば2%損失が出る上場投資信託)に投資しました。しかし見込みとは逆に日経平均は上がり続け、2014年に1万7000円台になった時点で見事に踏み上げられ、ティアで得た利益もふっ飛んでしまいました。
周りには個人投資家交流会で知り合った“億り人”の友人、知人がいましたが、2014年の段階では『自分には投資は向いていないのではないか』と思いました。投資を始めて以来、トータルで数百万円の損失を出していたと思います」
何をやってもうまくいかない時期が続くなか、数年前に大きな失敗をしたという。
