大きな資産を築いた投資家は独自の投資スタイル持っていることが多い(イメージ)
高市政権の誕生を受けて5万円を突破した日経平均は、その後の急落局面で5万円を割り込む展開も見せるなど、先行きはまだ不透明だ。株式投資で大きな資産を築いた個人投資家は、銘柄選びや売買のタイミングをどう考え、現在の相場環境をどう見ているのか。2005年に株式投資を始め、最初の10年間の失敗続きを経て、「一般的な市場予測以上の可能性を秘めた割安中小株を見つけ出して投資する」「IPOのセカンダリー投資を重視する」という投資スタイルを確立したyamaさん(47)に話を聞いた。
自分の目で1次情報をチェックする
yamaさんが独自の投資スタイルを確立したのは、2014年から2015年のIBJ(東証プライム・6071)への投資がきっかけだった。その後も、昨年から今年にかけてはLINEヤフー傘下でレシピ動画サービスなどを手掛け、昨年12月に上場したクラシル(東証グロース・299A)を、上場1週間後に平均1100円で買い、今年7月に入って平均1700円で売り、約700万円を利確した。
「投資する銘柄を決めるうえで最も大事にしているのは、3か月ごとの四半期決算の精査です。決算の中身を詳細に読み込み、分析し、『会社四季報』の予測など、一般的な市場予測以上に成長する可能性を秘めているかどうかを考えます。決算以外には、会社のホームページの記載や開示情報、メディアによる社長インタビューなど、あらゆる一次情報に目を通すようにしています。
逆に、有名な投資家など、いわゆるインフルエンサーの言うことに影響されて投資判断をするのは間違いだと思います。あくまでも自分の投資スタイルに基づく判断基準を持ち、その基準に従って一次情報をチェックすることが大切なのです」(以下「」内はyamaさんのコメント)
売却のタイミングは2つ
株式投資で重要なのは、買い時と売り時。売りのタイミングはどう判断しているのか。
「基準は2つあります。ひとつは、3か月ごとの四半期決算を見て自分が期待した成長を実現しているかどうかで、実現していなかったら問答無用に切ります。株というのは買うと愛着、執着が生まれ、なかなか切りがたくなります。なので、頭の中でいったん自分のポジションを外し、『今ならこの株を買うか』と自問して、客観的に考えるのがいいと思います。
逆に自分の期待に応える業績を上げていれば、仮に株価が10%、20%程度下がっていても保有し続けます。何%下がったら損切りすべしという考え方は基本的には正しいのだと思いますが、様々な要因で株価は上がったり下がったりするので、たとえ下がったとしても、自分がその銘柄を買った根拠が崩れていなければ保有し続けるという考え方もありだと思います。
もうひとつの基準はPER(株価収益率)が高くなって割高になり、もっと割安な株が他にあるかどうかです。あれば入れ替えますが、保有のレンジは以前より長くなっています。昔は3~4か月で入れ替えていましたが、最近は半年、1年以上保有し続けることが多くなっていますね」
今年10月27日に日経平均株価が5万円を突破した後も、まだまだ不透明な相場環境が続いているようにも見えるが、yamaさんは今後の相場の行方をどう見ているのだろうか。
