資産運用のプロが語る相場観は個人投資家の学びにつながる
大規模な財政出動への思惑の一方、円安進行や利上げの警戒感などから日経平均株価が5万円を突破してから乱高下する状態が続いている。お笑い芸人から転じた個人投資家・井村俊哉氏の助言を受ける通称「井村ファンド」を設定・運用する「fundnote」社で、新規ファンド「匠のファンド さいこう」の運用を開始したファンドマネージャー・神谷悠介氏が、現在の株式市場の動きと今後の展望について語った。
人為的な“ノイズ”は企業の長期的な本源的価値を毀損しない
「高市政権の財政政策は、日本経済にとって強力な追い風になるはずです。21兆円の経済対策はGDPを年率で約1%押し上げる効果が見込まれ、来期の為替の目線が引き上がることも含めて、EPSは市場コンセンサスの13%を大きく上回り、10%台後半の伸びとなる可能性があります。高市政権の積極財政EPSの上昇やGDPの成長を通じて日本企業の収益力を構造的に底上げする長期的な“追い風”になると想定しています」(以下、「」内コメントは神谷氏)
損害保険ジャパン時代は社債運用を担当していた神谷氏は、2008年のリーマンショックで前任から引き継いだリーマンブラザーズ債を破綻する3か月前にすべて売却したという。
