閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
ビジネス

フジテレビ事件の問題点はどこにあったのか? その評価に役立つ「ビジネスと人権に関する指導原則」について、弁護士が解説

2025年はフジテレビ事件が大きな話題に(時事通信フォト)

2025年はフジテレビ事件が大きな話題に(時事通信フォト)

『週刊ポスト』誌上でビジネスに限らず、相続や人間関係など幅広い“法律のお悩み”に解答してきた竹下正己弁護士。2025年で気になった事件や裁判はなにか。竹下弁護士に聞いた。

【質問】
 今年も暮れようとしています。夏の猛暑、トランプ関税、長嶋茂雄さんの死去、首相交代、連日発生しているクマ被害など、例年以上に落ち着かない1年だったのではないでしょうか。そこで竹下弁護士にお訊ねしたいのですが、2025年、心に残った事件や判例、社会の動きがありましたら、教えてください。

【回答】
 それは今年前半の話題、フジテレビ事件です。セクハラ自体もさることながら、事件に対するフジテレビの対応が批判されました。

 この件で問題点の分析、評価に役立ったのが、国連人権理事会承認の「ビジネスと人権に関する指導原則」です。この指導原則は、世界の企業に人権尊重の責務を果たさせようというもので、事業活動による人権への負の影響、即ち人権侵害リスクの防止・軽減を行なう取り組みのこと。そこでは、企業の業務に起因する自社や関係会社の従業員はもとより、取引先やその従業員等企業を取り巻くステークホルダーの人権侵害を特定し、原因を分析して影響を評価、その防止・軽減に取り組み、それらの成果を評価し、さらにこれを公表する人権デューデリジェンスのプロセスが解説されています。

 これによれば、企業はその活動で人権侵害リスクを起こしたり、助長している場合、当該活動を中止し、リスク発生を防止、リスク程度や被害を軽減して是正し、また、その説明をし、そして、被害者を救済する責務があります。

次のページ:フジテレビ事件では…
関連キーワード

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。