*11:43JST フェローテク Research Memo(3):2026年3月期の営業利益は24.5%増へ上方修正
■フェローテック<6890>の今後の見通し
1. 2026年3月期の業績見通し
2026年3月期の業績は、現時点で売上高285,000百万円(前期比3.9%増)、営業利益30,000百万円(同24.5%増)、経常利益28,000百万円(同9.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益16,000百万円(同2.0%増)と予想されており、売上高の予想は変更ないものの、営業利益と経常利益は期初予想(28,000百万円と26,000百万円)から上方修正された。これは、現在の市況において利益率の高い製品の売上構成比が上がると見られるためだ。下期に入っても、半導体業界を取り巻く環境に大きな変化はなく、同社製品に対する需要が本格的に回復するのは来期以降と見られるが、この予想が達成される可能性は高いだろう。通期での設備投資額は65,000百万円(前期は51,776百万円)、減価償却費は27,000百万円(同23,672百万円)を予想している。
セグメント別売上高は、半導体等装置関連は180,500百万円(前期比9.2%増)を予想している。真空シール・金属加工、セラミックス、部品洗浄は堅調に推移する見込みだが、石英坩堝は通期でも大幅減収を予想する。ただし収益性は改善を見込む。
電子デバイスは57,774百万円(同14.4%増)を予想する。好調な生成AIサーバ投資を背景に、光トランシーバー向けが増加し、サーモモジュールが堅調に推移して全体の業績をけん引する見込みだ。パワー半導体は、需要の伸び悩みや競争激化のなか、売上増加は確保できる見通しで通期予想を上方修正した。センサは、大泉製作所の決算期変更により、前期は第1四半期の売上計上がなかったため前期比で増加を予想している。
車載関連は、29,367百万円(同3.6%減)を予想する。EV需要の成長が鈍化、車載向けパワー半導体用基板の売上は下振れする見込みだ。センサは電子デバイスと同様に、大泉製作所の決算期変更により前期比増加を見込む。
その他は上半期同様の傾向が続き、17,357百万円(同38.4%減)と大幅減を予想している。
2. 主要製品の現況と見通し
(1) 真空シール・金属加工
半導体製造装置メーカーの需要が堅調で、米国及び中国の金属加工需要は堅調で引き合いが増加、成長が継続する見込みである。売上高は前期比32.2%増の51,831百万円を予想している。
(2) 半導体マテリアル(石英製品、シリコンパーツ、セラミックス、CVD-SiC)
石英製品は、顧客在庫の影響が薄れ、売上高は増加基調で前期比3.2%増の32,940百万円を見込む。シリコンパーツは顧客の在庫調整で減収となり、13,121百万円(同4.1%減)を予想する。セラミックスは米中の需要取り込みが続き、38,199百万円(15.2%増)を見込む。CVD-SiCは特定製品の減速により7,764百万円(5.2%減)を予想している。
(3) 装置部品洗浄
中国における需要が増勢し着実な需要取込みで成長継続が望め、売上高は17,126百万円(同11.9%増)を見込む。
(4) 石英坩堝
依然として太陽光発電向けが低調である。通期の売上高は8,681百万円(同31.5%減)と大幅減を見込むが、採算性は改善しつつある。
(5) サーモモジュール(電子デバイス)
生成AI関連需要が増加し、売上高は30,884百万円(同13.4%増)となる見込みである。
(6) パワー半導体用基板(電子デバイス)
需要の伸び悩みや競争激化のなかではあるが売上増加は確保できる見通しで、通期予想を上方修正して売上高は19,090百万円(同5.2%増)となる見込みである。
(7) センサ(電子デバイス)
大泉製作所の決算期変更の影響(前期は9ヶ月分のみ)により、売上高は前期比63.8%増の6,506百万円を予想している。
(8) サーモモジュール(車載関連)
市況悪化の影響もあり、車載向けTEの売上が減少し、売上高は4,892百万円(同23.7%減)となる見込み。
(9) パワー半導体用基板(車載関連)
EV需要の成長が鈍化し需要が低調するなかで価格競争も激化し、DCB及びAMB※とも苦戦している。売上高は16,911百万円(同12.2%減)を予想している。
※ DCB=Direct Copper Bonding。AMB=Active Metal Brazing。いずれも同社製品の絶縁放熱回路基板。
(10) センサ(車載関連)
大泉製作所の決算期変更の影響で大幅増収の売上高7,563百万円(同57.5%増)を見込む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)
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