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「説明」がうまい人がいつも頭においていること

【人気講師が指南】「説明がうまい人」が重苦しい空気の中で話すときに心がけていること 自分の話したいことよりも“相手の心の状態”を優先、ときには「話さない」「後回しにする」

「説明がうまい人」は何を意識しているか(イメージ)

「説明がうまい人」は何を意識しているか(イメージ)

 トラブル発生で部署全体が重苦しい雰囲気の会議。話を切り出した時に、出席者から冷たい反応を受けてしまう人と、スッと受け入れられる人。その違いはどこにあるのだろうか。東京大学大学院で認知科学を研究し、駿台予備学校で3000人を動員する超人気講師となった犬塚壮志氏は、説明がうまい人は「何を話すか」だけでなく「いつ、どんな空気の中で話すか」を重視すると指摘する。犬塚氏の著書『「説明」がうまい人がいつも頭においていること』から一部抜粋・再構成して、その具体例を紹介する。

同じ「新しい企画」の話でも受け止められ方が異なる

 あなたは、こんな光景に居合わせたことはないでしょうか。

 月曜の朝一番の定例会議。しかし、その日はいつもと雰囲気が違います。先週末に大きなトラブルが発生し、部署全体が重苦しい空気に包まれているのです。誰もが浮かない顔で、黙り込んでいます。そんな中、若手のAさんが元気よく手を挙げました。

【説明がうまくない人】
Aさん「はい! 皆さん、少し暗いですよ! 週明けですし、元気出していきましょう! 早速ですが、僕が週末に思いついた新しい企画について、提案させてください! これは絶対に成功すると思うんです!」

メンバーたち
「(心の声)この状況で、そのテンション……?」
「(心の声)今はそれどころじゃないだろ……」
「(心の声)空気が読めないにも程がある……」

 Aさんに悪気は一切ありません。むしろ、場の空気を明るくしよう、前向きな話をしようという善意からくる発言でしょう。

 しかし、その善意は完全に空回りです。

 彼は、その場の状況、つまり「空気」をまったく把握せずに話し出してしまいました。その結果、彼の熱意ある提案は誰の心にも響かず、むしろ「不謹慎なヤツ」「自分勝手なヤツ」というネガティブなレッテルを貼られてしまうのです。

 では、説明がうまい人は、同じようにポジティブな提案をしたい場面で、どう振る舞うでしょうか。

【説明がうまい人】
Bさん「皆さん、おはようございます。……先週末の件、本当にお疲れ様でした。今日のミーティングは、今回のトラブルの振り返りと、今後の対策についての時間と聞いていますが、その上で、もし少しでも余力があれば、この状況だからこそ、未来につながる新しい企画の種についても、少しだけお話しさせていただけたら嬉しいです」

 いかがでしょうか。BさんもAさんと同じく「新しい企画」という前向きなテーマを持っています。しかし、聞き手の受け取り方はまったく違うはずです。

 Bさんの言葉がすっと心に入ってくるのは、彼がまずその場の重苦しい空気を正面から受け止め、そこにいるメンバーの心情に寄り添っているからです。

 説明がうまい人は、話す内容そのものと同じくらい、「いつ、どんな空気の中で、その話を切り出すか」を重視します。

次のページ:仕事以外の場面で「説明がうまい人」が心がけていること
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