個人投資家向け説明会で得られるものとは(写真:イメージマート)
株式投資で銘柄選びをするうえで欠かせないのが、企業自身が発信するIR情報だ。50万円を元手に学生時代から株式投資を始め、株式資産を400倍の2億円超に増やした兼業投資家・名古屋の長期投資家(なごちょう)氏は、企業のIR情報から成長期待度の高い有望株をどのように見極めているのか。
なごちょう氏は企業のIR情報のページに公開されている3つの資料「決算短信・貸借対照表」「有価証券報告書」「決算説明会資料」に「非常に有益な内容が載っている」と強調する。同氏は決算短信・貸借対照表、有価証券報告書の次に、直近の「決算説明会資料」を読むステップを踏むという。
このうち、経営陣が投資家やアナリスト向けに四半期(3か月に1回)ごとに発表する決算説明会資料では、何を読み取れるのか。同氏が自身の投資手法と全保有株を公開した話題の著書『2億稼げる なごちょう式 低リスク超分散株投資』(高橋書店)より一部抜粋・再構成して紹介する。
* * *
有価証券報告書や決算短信である程度企業のプロフィールが見えてきたところで、直近の「決算説明会資料」を読みます。
これは、経営陣が投資家やアナリストに向けて、四半期ごとの業績・戦略・課題などを説明する資料です。IR情報に四半期(3か月に1回)のペースで掲載されます。
基本的にはスライド形式(PDF)の資料の企業が大半ですが、決算説明会の資料に口頭説明の内容を書き起こして載せていたり、動画で公開していたりする企業もあります。
会社の文化が垣間見える
決算説明会資料の魅力は、図解が多く視覚的に整理されている点にあります。内容としては、「決算短信の要約」「ビジュアルによる解説」「今後の方針」がセットになっており、企業の“いま”が非常につかみやすくなっています。
また、この資料は法律でフォーマットが決まっていないぶん、その会社の文化が垣間見えます。印象的なのは、突然マンガが差し込まれていたZOZOの資料です。元社長を模したキャラクター「栗太郎」が事故に遭うという、決算内容と無関係なストーリーに戸惑いました。こうした斬新さは若い会社ならではですが、投資家目線ではこうした「数字から注意をそらす表現」はNGですね。
【決算説明会資料でのチェックポイント】
(1)その企業が重要視している項目(KPI)
→企業が何を最重要の指標ととらえているか
(2)事業ごとの今後の戦略や重点施策
→企業が現状をどう分析して、どの方向に舵を切るのか
(3)経営陣の語り口・スタンス
→前向きなのか慎重か? 課題を正直に語っているか
(4)「投資判断のヒント」になる言葉を拾う
→「中期経営計画通りに進捗」「配当は据え置き」などの記述から、今後を判断するうえで大きな材料が拾える
決算短信に記載された数値は、あくまで“結果”です。それに経営者自身の“解釈”が加わり、より立体的な理解につながります。
たとえば、売上予想がやや低調だったとしても、背景や見通しの分析が具体的であれば、将来的な回復が見込めると判断できます。
また、過去の決算説明会資料もアーカイブされていますので、過去の予測値と現時点の実績の差を1~2年分ほど見比べれば、経営陣の見通しの精度も評価できます。
なお、よい企業ほど、この資料がていねいでわかりやすい傾向にあります。資料から経営改善の兆しを読み取ることも可能です。
