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ビジネス
岩田一政・元日銀副総裁「日本への警鐘」
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元日銀副総裁・岩田一政氏が「生産性の伸びないニッポン」に警鐘 AI革命の導入で挽回できるのか? 高市政権の補正予算の投資も「圧倒的に規模が少ない」と指摘

AI革命で日本が躍進するには何が必要か(日本経済研究センター理事長・岩田一政氏)

AI革命で日本が躍進するには何が必要か(日本経済研究センター理事長・岩田一政氏)

 日経平均株価の過去最高値更新で株式市場は沸く一方で、実体経済との乖離が指摘されている。株式市場を牽引するAI(人工知能)の分野で、果たして日本は期待される成果を挙げられるのか。元日銀副総裁で、日本経済研究センターの理事長を務める岩田一政氏がノンフィクション作家・広野真嗣氏のインタビューに応じた。

 日本経済の先行きを予測する本はあまたあるが、日本経済研究センターが昨年末に刊行した『2075 次世代AIで甦る日本経済』(日本経済新聞出版)は、50年後の長期を見通すという点で個性的だ。あたる、あたらないではなく、客観的なデータから未来に見当をつけることで希望の道を見出す試みだといえる。

 国際通貨基金(IMF)からは日本の名目GDPが今年、インドに抜かれ5位に転落すると指摘されているが、本書によれば標準シナリオなら“2075年にはメキシコにも抜かれて11位にまで転落”。他方、「汎用AI」を政府や企業が活かした経済構造への転換や財政政策で改革が行なわれるシナリオならば“5位以内に踏みとどまれる”という見通しだ。

 どこに病弊があり、何を変えればよいのか。監修にあたった元日銀副総裁で同センター理事長の岩田一政氏に話を聞いた。

「日本は二流国に落ちたいのか?」

――50年後、日本のGDPはなんとメキシコやフランスよりも下位になるとの予想は衝撃でした。

岩田:かつて名目で世界3位を誇った日本の1人あたりGDPは、2024年には42位まで転落しました。OECDのボトムまで落ち込んでしまって「先進国」といえるのかさえ疑問符が付く。しかもさらにその先にまで落ちていくかも知れないという状況にあります。

 この危機がどこから来ているかを振り返ると、2012年の「第3次アーミテージ・ナイ報告」にまで遡ることができます。ブッシュ(子)政権の国務副長官を務めたリチャード・アーミテージ氏とハーバード大学教授のジョセフ・ナイ氏という2人の知日派は「果たして日本は一流国(ティア1)から二流国(ティア2)になることを望んでいるのか」と厳しく指摘しました。二流国に落ちたいのか、と。

――日本に「しっかりしろ」と。

岩田:私たちはおおむね5年に1度、長期予測を行っていますが、経済の面から叱咤激励にどう応えるかを考えてきたつもりです。そもそも国力というのは結局、生産年齢人口と、1人あたりの労働生産性で決まります。2014年の長期予測は、停滞のいちばんの根源である人口減少に焦点を当て、人口を回復するシナリオを予測しました。

 もう1つの生産性、技術革新に焦点を当てた2019年は「デジタル資本主義」をテーマにした。1990年代半ばに世界に到来したオンライン革命、2000年代のデジタル革命という2つの技術革新で失敗した結果、日本は生産性が伸び悩んでいました。さらに出生率が低下し、移民などによる人口動態の変化も起きていますが、あえてAI革命による挽回を主軸に据えて長期予測を試みたのが今回の予測です。

次のページ:AI革命で転落を食い止めてほしい

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