別の事例も挙げておきましょう。千葉県木更津市の「アクアコイン」という地域通貨では、予防医療の推進のために、「歩くとポイントがつく仕組み」を導入しています。歩く習慣を応援する予防医療的な視点でのインセンティブをつけることによって、住民が健康になり、結果として地域の医療費が減ることにつながります。これはまさしくテクノロジーを活用した課題解決です。
「アルプスPay」「アクアコイン」のいずれも、単なるキャッシュレス決済というテクノロジーを導入しただけではなく、地域の固有の課題を解決する手段として機能しています。
このように、「地方創生×テクノロジー」の事例が10個あれば、10通りの異なる使われ方をする時代が、これからやってくると考えています。地域通貨ひとつとっても、今後さらに多様な使い方が生まれてくるでしょう。
(第2回に続く)
*近藤繁著『稼ぐ地方 日本のさまざまな地域で「新しい価値」を生み出す人たち』(クロスメディア・パブリッシング)より一部抜粋して再構成
【プロフィール】
近藤繁(こんどう・しげる)/株式会社ココペリ代表取締役CEO。1978年生まれ、愛知県春日井市出身。名古屋市立菊里高校、慶應義塾大学理工学部情報工学科を卒業。2002年に株式会社みずほ銀行に入行し、中小企業向け融資業務に従事。その後、ITベンチャー企業を経て、2007年に株式会社ココペリを設立。中小企業向けにバックオフィス業務のアウトソーシングを請け負うITサポートサービスを提供開始。その後、さまざまなITソリューションを開発し、2018年に中小企業向け経営支援プラットフォーム「Big Advance」をリリース。全国の金融機関と提携し、中小企業の成長支援を進める。2020年12月に東証マザーズ市場(現東証グロース市場)に上場。2025年には「地域発世界」をコンセプトにグローバル展開構想を発表し、「BIG ADVANCE GLOBAL」を開発。「日本でいちばん中小企業を応援する会社」を目指している。