都心の不動産市場から日本の投資家が“退場”していく可能性も(写真:イメージマート)
近年は都心部の不動産価格の上昇が注目を集めてきた。不動産調査会社・東京カンテイによれば、2025年の東京23区の中古マンションの平均希望売り出し価格は70平米あたり1億円を超えたという。そうしたなか、不動産事業プロデューサーで、『街間格差』(中公新書)の著者・牧野知弘氏(オラガ総研代表)は金利上昇などにより住宅取得環境は大きく変わる可能性があるとみている。
牧野氏は「金利上昇によって投資用でも居住のための実需に基づくものでも、あまりいい住宅取得環境ではなくなった」と指摘する。ただし、利上げのなかでも円安傾向が続いていることを受け、「外国人投資家にとっては、区分所有マンションもオフィスも、日本の不動産のバーゲンセール状態が当面続いていく」ともみている。
「先般行なわれた恵比寿ガーデンプレイス(東京都渋谷区)などを含んだサッポロホールディングスの不動産事業会社の売却も、当初囁かれていた日本の大手デベロッパーではなく、外資ファンドの米KKRとアジア系のPAGが組んで4770億円で落とした。もうあのレベルになると大手デベロッパーもついていけないということでしょう。
しかも、大手デベロッパーにとっては長期金利がこれだけのスピードで上がることは、彼らの財政的にバッドニュースになります。三菱地所が約3兆円、三井不動産が約4兆円の利子負債があるなか、4770億円を使って買いに行くだけの資金調達を考えると、他にも開発案件を抱えているので動きにくいのではないか。
仮に私がデベロッパーの社長だとしても、今の金融マーケットを考えると、ここでさらに4000億も5000億も投資するのは厳しいでしょう。そうして日本勢の参入が難しいなか、為替の力学で外国勢が買い進める。そういう状況が続いていくと考えられます」(以下、「」内コメントは牧野氏)
