税金は戻ってもそれ以上に損する場合も
しかし、課税所得が695万円以下でも、配当控除の切り札を使ったばかりに損をしてしまうことがあります。実は2024年の制度改正により、「所得税だけ申告して、住民税は申告しない(源泉徴収のまま)」という、かつての裏技が使えなくなりました。所得税を確定申告すると、そのデータがそのまま自治体に飛び、住民税の計算にも反映されます。
ここで悲劇が起こるかもしれません。配当所得を申告したことで、あなたの「合計所得金額」が増えたとみなされます。すると、以下のような影響が出る可能性があるのです。
【国民健康保険料・介護保険料の値上がり】…自営業やフリーランス、リタイア世代の方は特に要注意。
【配偶者控除の対象外に】…収入が増えたと判定され、家族の扶養から外れてしまうケースも。
【各種給付金の対象外に】…子ども手当や高校無償化の所得制限、自治体独自の給付金に引っかかる恐れ。
申告前に「スマホで1分」の自己防衛を
結局のところ、配当所得の確定申告は「会社員で職場の健康保険(組合健保・協会けんぽ)に入っている人」にとっては、多くの場合でメリットがあります。なぜなら所得が増えても保険料が連動して上がらないからです。
逆に、自営業の方や定年退職された方は、申告前に自治体の「保険料シミュレーター」を叩いてみることを強くおすすめします。e-Taxならスマホで簡単に試算できるので、まずは数字を入れてみるのが第一歩です!
今回のまとめ
・課税所得695万円以下なら、確定申告で配当金の税金を取り戻せる
・還付金より保険料アップが上回る「逆転現象」に注意
・申告前に自治体の「保険料シミュレーター」でチェックを
【プロフィール】
藤川里絵(ふじかわ・りえ)/個人投資家・株式投資講師・CFPファイナンシャルプランナー。2010年より株式投資をはじめ、主に四季報を使った投資方法で、5年で自己資金を10倍に増やす。普通の人が趣味として楽しめる株式投資を広めるため活動し、DMMオンラインサロン「藤川里絵の楽しい投資生活」を主宰。本稿の関連動画がYouTubeにて公開中。
個人投資家で株式投資講師・藤川里絵さん
