評定平均と共通テスト重視の傾向に
また、国立大学入試担当者や予備校などでは「女子は共通テストの点数が高いという傾向がある」とされている。
「共通テストは問題文が長いため、読解力を問う要素がああります。そのため、うちの生徒達を見ていても、女子の方が点数を取りやすい傾向が続いています」(都内中高一貫校進路指導)
東京大学では2025年度の一般選抜合格者の女性比率は20.0%だったが学校推薦型選抜の合格者の半分が女子だ。一般選抜より女子比率が高くなるのは、評定平均値と共通テストのスコアを重視し、合否を決める入試であるという点も影響しているのではないか。
これまで日本の大学入試は、一般選抜での「一発勝負のペーパー試験」が中心であった。これは世界的に見ると少数派である。アメリカやヨーロッパの大学入試は高校の成績重視なのだから。アメリカの大学入試はほぼ高校の成績で決まる。最難関大学には世界中の最難関高校から成績が満点、日本でいうとオール5の学生が大量に出願してくるため、差がつかない。そこでSATという共通学力テストのスコアを提出させる。
日本の入試もアメリカやヨーロッパのような「高校の成績重視の大学受験」になっていくとなると、女子が有利になっていく傾向はあろう。
一方で関西の私大の推薦入試を見ていると、評定平均値への不信感が強いことが分かる。関西では、学科試験重視の推薦入試「年内学力入試」が以前から定着してきた。また、総合型選抜においても評定平均値をほぼ評価しない傾向がある。ようは「この高校でこの評定だからこの学力」という分析がしにくいのだろう。この「評定平均値が信頼できない語り手になっている」という問題をどう解決していくかが今後の日本の大学入試の最重要課題になっているように思える。
今回は大学入試の推薦入試で女子が有利である理由として、高校の成績がいいことについて言及した。次回は総合型選抜でなぜ女子が有利であるかについて考えていきたい。
【プロフィール】
杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ)/ノンフィクションライター。2005年から取材と執筆活動を開始。『女子校力』(PHP新書)がロングセラーに。『中学受験 やってはいけない塾選び』『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(ともに青春出版社)も話題に。『ハナソネ』(毎日新聞社)、『ダイヤモンド教育ラボ』(ダイヤモンド社)、『東洋経済education×ICT』などで連載をしている。受験の「本当のこと」を伝えるべくnote(https://note.com/sugiula/)のエントリーも更新中。