閉じる ×
閉じるボタン
有料会員限定機能の「クリップ」で
お気に入りの記事を保存できます。
クリップした記事は「マイページ」に
一覧で表示されます。
マネーポストWEBプレミアムに
ご登録済みの方はこちら
小学館IDをお持ちでない方はこちら
キャリア
中学受験塾選び「痛恨の失敗」から学ぶ教訓

慶應合格を目指して最難関対策塾から個別指導、家庭教師まで…中学受験対策に「3年間で総額600万円」を費やした父親が学んだ“塾選びの教訓”

中学受験に向けた塾選びが本格化してくる時期だ(イメージ)

中学受験に向けた塾選びが本格化してくる時期だ(イメージ)

 中学受験での塾選びが本格化してくる時期だ。子どもに合った塾を選ばないと、その後、親子ともども苦労をすることになってしまうだろう。実際に、塾選びで失敗してしまったことを自戒する親子は、そこからどのような教訓を得たのだろうか。『中学受験 やってはいけない塾選び』が話題のノンフィクションライター・杉浦由美子氏が、中学受験塾選びの難しさについてレポートする。【全3回の第3回。第1回から読む

>マネーポストWEBプレミアム登録ですべての記事が広告なしで読める! 初回登録月は無料

 * * *
 慶應普通部出身で今は「子供の受験がすべて」という父親Aさん(52歳男性)のケースを通して、「中学受験塾選びでなぜ失敗するのか」の考察を続けている。

 Aさんは自分と同じ「慶應ブランド」を息子に与えたいと思い、4年生から御三家対策専門塾に入塾させた。しかし、その塾には進級テスト制度があり、4年生の末の進級テストに合格しないと5年生以降は通えなくなる。Aさんの息子は進級テストに不合格となり、再度、塾選びをすることになった。

 冷静に考えたら、御三家対策専門塾の進級テストに不合格なら、日能研などの中堅対策を得意とする塾に行った方がうまくいくと思えるがそれはできなかった。なぜなら「塾のランクを下げたくない」からだという。結局、中堅の難関校対策塾に転塾したうえで、個別指導の塾にも通わせるようになった。

 にもかかわらず、息子の6年生の秋の模試の結果は散々だった。到底、慶應には手が届かない。そこでAさんは家庭教師センターに問い合わせをする。

「優秀な家庭教師は何年も前から予約を入れてないと駄目なんですよ」

 とりあえず、一番ランクが高い家庭教師を呼ぶが、この教師にも納得がいかない。そこで、国語のオンライン指導も利用し始める。受験前の最後の3ヶ月で総額120万円を家庭教師、個別指導代に支払った。

 ここで疑問が出てくる。たとえば算数の場合、特定の分野、例えば立方体の切断が苦手だという場合はそこを重点的に学べばクリアできることもあろう。しかし、国語の読解は短期間にどうにかなるものではないように思える。

 5年生と6年生の2年間で、個別指導と家庭教師の費用で300万円を支払った。集団塾への支払いは別だ。3年間で総額600万円を中学受験対策に費やした。

「“ここで逆転できる”って自分にも言い聞かせてました。けど、冷静に考えたら、受験生が立て直せるのは、もっと前の段階じゃないとダメなんですよね」と迎えた2月。

 慶應SFCも中等部も残念な結果となった。

次のページ:Xで「いいね!」がつくと満たされる

注目TOPIC

当サイトに記載されている内容はあくまでも投資の参考にしていただくためのものであり、実際の投資にあたっては読者ご自身の判断と責任において行って下さいますよう、お願い致します。 当サイトの掲載情報は細心の注意を払っておりますが、記載される全ての情報の正確性を保証するものではありません。万が一、トラブル等の損失が被っても損害等の保証は一切行っておりませんので、予めご了承下さい。