東大の推薦入試の合格発表がおこなわれ、その合否を巡ってSNSでも話題となっている
東京大学の公募制学校推薦型選抜の合格者が2月11日に発表されたが、「国際数学オリンピックで金メダルを取った高校生が不合格になった」ということがSNSで話題になっている。不合格の理由を不思議に感じる声が多いが、入試の選考基準をどう見ればよいのか。『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』が話題のノンフィクションライター・杉浦由美子氏がレポートする。
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推薦入試は合否の基準が公開されていないためにいろんな誤解をされやすい。SNSでは、国際数学オリンピック(IMO)で金メダルをとった高校生が東京大学の公募制学校推薦型選抜の2026年度入試で不合格になったことが話題になっている。国際数学オリンピックで日本人の高校生が優勝したことは快挙として大きく報道もされた。今でも一部メディアは彼の動向に注目していると聞く。
SNSによれば、この高校生は名門の公立難関高校に通い、共通テストも1000点満点中、893点を得点しているとのこと。東大の推薦では「共通テスト8割以上」を求められるから、その条件はクリアしていると見られる。
東大の推薦入試の要項には推薦要件として、「卓越した才能を有すること」とあり、そこに該当すると判断できる提出資料として「全国レベルあるいは国際レベルのコンテストやコンクール(例えば数学オリンピック)での入賞記録」と明記されている(経済学部の例)。そのため、「どうして不合格にしたのか」とSNSで話題になっている。今回はこの騒動について分析していきたい。
総合型選抜に必要な「3つの武器」
拙著『大学受験 活動実績はゼロでいい 推薦入試の合格法』(青春出版社)の中で「栄光ゼミナール大学受験ナビオ」推薦入試リーダー・荒木翔揮さんは総合型選抜についてこうコメントしている。
「【1】評定平均値の高さ、【2】英語資格試験のスコアなどで示す英語力、【3】志望理由書のクオリティ。この3つの武器のうち、一つは持っていないと戦えません」
「一つは持っていないと」との話だが、実際にはこの3つすべてでそこそこ点数を取らないと、難易度の高い総合型選抜には通らない。
たとえば、英検2級で慶應や上智、ICUの総合型選抜に合格するケースは多々あるが、その場合、志望理由書や課題レポートで差をつける必要がある。前出の拙著では英検2級で上智の公募制推薦に合格した学生の課題レポートを掲載しているが、オリジナリティがある「問い(研究テーマ)」が光るものだった。
一方、ある高校生から「慶應のSFCに合格した先輩たちの提出書類を見せてもらったらかなり緩いものもあった。あれで受かるのか」という話を聞いた。その先輩は帰国子女で、英検1級に近い実力を持っていた。後にその先輩に会う機会があって評定平均値を尋ねると、「4.0以上4.5未満」と口にしたという。
つまり、総合型選抜や推薦入試は「評定平均値」「英語検定資格」「志望理由書」の3つの合計点で決まると考えてよいだろう。どれかが多少低くても他が高ければ合格できるわけだが、どれか一つが飛び抜けて低いと、他が高くても不合格になる可能性もあるわけだ。
