東大現役進学者の「数」を比較するだけでは測れない進学校の実力とは(写真:イメージマート)
中学や高校受験で「志望校選び」の際に重要な指標となるのが「大学進学実績」だ。各学校はホームページや入学案内に「大学合格実績」として難関大学などの合格「延べ人数」を公開することが多いが、その学校から「何人がどの大学に進学したのか」はよりリアルな実績を示している。人口が多く競争が激しい首都圏の学校の「大学進学実績」の最新事情について、フリーライターの清水典之氏がレポートする。
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2025年の「東大現役進学数」ランキングでは、1位・開成(107人)、2位・筑波大学附属駒場(92人)、3位・聖光学院(85人)という結果だった(「大学通信」調べ)。しかし、単純な合格者人数の比較だけではその“実力”は測れないというのは、「じゅそうけん」のXアカウントで11万人超のフォロワーを持つ受験・学歴研究家の伊藤滉一郎氏だ。
「東大の合格者数で比較すれば開成がトップですが、開成は1学年400人前後と他校より多めで、東大合格者の3分の1くらいが浪人です。筑波大附属駒場(筑駒)は1学年約160人で、その内、2025年度は92人が東大に現役合格しているので、現役進学率で言えば、筑駒がダントツ。さらに最難関の東大医学部(理三)の入学定員90人に対し15人を筑駒が占めている。現役進学者数ランキングでは5位ですが、首都圏のトップはやはり筑駒です。
女子のトップ、桜蔭は東大に42人が現役進学していますが、ここ数年、落ち込んでいて話題になっています。しかし、医学部の合格者は140人(2025年度)出ています。国公立・私大の重複合格があるので実際の進学者数は不明ですが、相当数が医学部に進学しているでしょう」(伊藤滉一郎氏・以下同)
桜蔭に並ぶ女子のトップ校、豊島岡女子も医学部合格者が175人(2025年度)出ている。「東大卒」という学歴よりも、将来にわたって安定的に高収入が期待できる医師の資格を選ぶ女子が増えているのかもしれない。