体験における強度は主観的な体験であるがゆえに客観的な物差しで測れない
最初のうちは長時間継続しないことに罪悪感さえ感じるかもしれない。友人は1日3時間もトレーニングしてるとか、同僚は2年間も英語を学んでいるといった話を聞くと、自分ももっと時間をかけなければと焦りを感じるだろう。しかし、そんなことを心配していても百害あって一利なしだ。
時間という単位は非常に便利だ。なぜなら誰かと比較することができるからだ。
人間はとにかく他人と比較することが好きな動物だから、自分がどれだけ努力したかをアピールするためには、時間は最高の物差しだ。しかし、この本の目的は誰かと比較して競争することではない。あくまで体験を通した学びによって自分自身の人生を豊かにしていくことだ。だから、時間で測るといった考え方を一回手放して欲しい。
体験における強度は主観的で、主観的な体験であるがゆえに、客観的な物差しで測ることには無理がある。だからこそ、自分自身がどれだけ精神的に全力を出せるかという主観的な感覚に目を向けてみる。
意外にもこうした感覚は現代の教育やビジネスの現場では未だに軽視されていて、ほとんど注目されない。同じことをしていても、皆が同じ体験をしているわけではないのにだ。
精神的に全力を出せる時間は人によって違うし、体調によっても変わる。気圧や温度などの天候なども影響するだろう。自分自身が意識を向けなければならない。全力を尽くせないと感じたら、すぐに切り上げるか休憩することをおすすめする。それよりも頻度に目を向けて欲しい。
例えば全力を尽くせる時間が10分しかないのなら、ダラダラと1時間も2時間も続けず、時間を置いてからまた10分間全力でやる。週末にまとめて3時間英語を勉強しようではなく、5分でも良いから毎日全力で学ぶといったアプローチだ。
※長谷川雅彬著『君は体験に投資してるか』(株式会社クロスメディア・パブリッシング)から一部を抜粋・再構成。
(第3回に続く)
【プロフィール】
長谷川雅彬(はせがわ・まさあき)/アーティスト、実業家。スペイン在住。立教大学生時代、猛勉強するも海外大学院への進学に失敗。卒業後、大和証券金融証券研究所に投資ストラテジストとして勤務しながら、3カ月でTOEFL iBTで100点超えを達成し、のちにスペインの大学院への進学を実現。30歳までに英語・スペイン語・日本語の3カ国語での執筆と出版を果たす。独学でアートを始め、マドリッドに1927平方メートルの作品を作成したほか、スペインのMaria LafuenteとコラボしMadrid Fashion Weekで3シーズンにわたり作品を発表。自身が立ち上げた創造性開発コースは世界149カ国に1万人以上の受講生を持つ。柔術の世界的な団体であるADCC Spainでスペイン国内チャンピオンとなる。現在は4カ国語でビジネスを行っている。