*16:36JST オーケストラ Research Memo(6):2026年12月期は2ケタ増収増益を予想。全方位での成長加速を見込む
■今後の見通し
Orchestra Holdings<6533>の2026年12月期の連結業績は売上収益が前期比11.0%増の17,500百万円、営業利益が同10.9%増の1,600百万円、税引前利益が同11.9%増の1,550百万円、当期利益が同12.1%増の970百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益が同17.5%増の960百万円と、2ケタ増収増益予想としている。主力事業が順調に拡大して成長が加速する見込みだ。DX事業とIP・エンタメ事業は拡大基調であり、DM事業も前期下期から急回復しており、全方位での成長が加速する見通しである。
重点施策として、DX事業では採用及びM&Aによる人的基盤の拡充を進め、顧客への対応力や開発・運営体制を横断的に強化する。また、従業員エンゲージメント向上を促す職場環境の構築など、人的資本価値向上を目的とした人材育成・定着施策を強化する。DM事業においては、大型案件の獲得や新規開拓に向けた営業力・提案力の強化に注力する。併せて、DMに特化したAIプロダクトの開発を推進し、AI時代のDMにおける付加価値と品質の継続的な向上を図る。IP・エンタメ事業では、強みであるゲーム開発に加え、アイドルプロデュースを軸に成長を目指す。その他事業については、IT人材紹介事業及びSaaS型タレントマネジメントシステム「スキルナビ」を中心に事業基盤を拡大させる。さらにゲーム開発を通して培った知見を活用して新規領域への展開も目指す。
総じて、良好な事業環境を背景に各事業の需要は高水準で推移しており、戦略的な施策の実行によってさらなる好業績が期待できると弊社では考えている。
■成長戦略
M&Aを活用し既存事業の成長を推進。2026年12月期より成長フェーズへ
1. 中長期成長戦略
同社は、M&Aの活用により既存事業の成長を加速させると同時に、成長性・収益性の高い新規事業領域へ投資することで「創造の連鎖」を広げることを基本方針としている。2022年12月期からの構造改革期を経て、2026年12月期からは利益拡大を一段と加速させる「成長フェーズ」への移行を計画している。
具体的な戦略として、第1の柱であるDM事業は、運用型広告を中心に市場成長を確実に捉え、安定的な収益基盤を堅持する。第2の柱であるDX事業では、Sharing Innovationsの再成長に加え、AI等の最新テクノロジーを活用した新サービスの開発・提供を推進し、急成長市場でのプレゼンスをさらに高める。第3の柱と位置付けるIP・エンタメ事業においては、ランド・ホーによるゲーム開発の拡大を軸に、早期の収益貢献を目指す。また、IT人材関連の新規事業ではグループ内でのエコシステム構築を進め、各事業間のシナジー創出を通じて「高成長×高収益」な事業モデルの確立を推進する。
なお同社はプライム市場の上場維持基準のうち、直近基準日(2025年12月31日)において流通株式時価総額が基準に達していない。改善期間の期限となる2026年12月末までに上場維持基準を充たす必要がある。引き続き業績改善や株主還元強化を軸として企業価値向上(株価向上)を目指すほか、バックアッププランとしてスタンダード市場への変更の検討も進める。
2. 弊社の視点
同社は、積極的なM&Aと事業間シナジーの創出により、マーケティングDX領域のリーディングカンパニーを目指すとしている。弊社では、DXやDMといった成長市場にフォーカスした事業展開に加え、安定収益源のDM事業と拡大基調のDX事業という強固な2本柱を確立している点を評価している。今後は、連結化したランド・ホーを中心とするIP・エンタメ事業の収益寄与の本格化やM&Aによるグループシナジーも期待でき、中長期的な成長スピードがさらに加速する可能性が高いと見ている。
■株主還元策
連続増配に加え、優待新設や自己株式取得により株主還元の充実を加速
同社はM&Aや新規事業領域への成長投資により株主価値の継続的向上を目指しており、株主還元については成長投資とのバランスを取りながら実施する方針としている。この方針に基づき、2025年12月期の配当は前期比1.0円増配の12.0円(期末一括)、2026年12月期の配当予想は同1.0円増配の13.0円(期末一括)としている。2018年12月期の初配当実施以来、連続増配を続けている。
また2025年11月14日付で株主優待制度の新設を発表した。毎年12月末日を基準日とし、200株以上を1年以上継続保有する株主を対象に、デジタルギフト15,000円分を贈呈する。初回は2026年12月末日を基準日とし、同社株主名簿に2025年12月末、2026年6月末、2026年12月末の計3回連続で記載または記録され、かつ同社株式200株以上を継続保有している株主を対象とする。
さらに同社は2025年8月15日~2025年11月26日に230,700株の自己株式取得を実施した。さらに、2026年2月13日付で新たな取得枠(上限150,000株又は100百万円、取得期間2026年2月16日~2026年4月30日)を発表した。今後も収益拡大に伴う配当原資の増加とともに、株主還元のさらなる充実が期待できると弊社では考えている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田 雅展)
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