*10:59JST テクノフレックス:半導体製造向け真空配管の競争優位とクリーンエネルギー展開で成長局面へ
テクノフレックス<3449>は1977年創業の金属加工メーカーであり、配管同士を接続する管継手の製造を主力とする継手事業を中心に展開している。現在は東証スタンダード市場に上場している。経営理念に「従業員の幸せを追求すると共に、価値ある製品づくりに真心で挑み、世界の発展に貢献します。」を掲げ、施工力と高度な金属加工技術を組み合わせた高付加価値製品を提供している。事業セグメントは、継手事業、防災・工事事業、自動車・ロボット事業、介護事業の4事業で構成される。売上構成比は、継手が約6割、防災・工事が3割弱、自動車・ロボットと介護がそれぞれ1割弱である。これまで、伸縮管、工事、ロボット、介護分野などでM&Aを実施し、事業ポートフォリオの拡充を進めてきた。
競争優位の源泉は、1988年に中国に工場を設立したことで確立した生産体制とコスト競争力にある。この基盤を背景に、1990年代以降、国内主要半導体工場向けの真空配管分野で実績を積み重ねてきた。製品供給だけでなく、クリーンルーム内での施工対応力を併せ持つことが差別化要因であり、同分野で独自のポジションを確立している。また、原子力発電所向け部材供給では、60年以上の実績と製造設備を背景として、国内で唯一対応可能な体制を構築している。従来は半導体市況の影響を受けやすい収益構造であったが、製品供給と施工のセット受注の進展や装置メーカー向けの販路の強化、事業ポートフォリオの分散により、収益の安定化が進んでいる。
2025年12月期は、売上高26,025百万円(前期比18.1%増)、営業利益3,919百万円(同78.4%増)、当期純利益3,123百万円(同137.9%増)となった。売上高は、海外のクリーンエネルギー関連案件や国内の先端半導体案件が堅調に推移し増収となった。利益面では、高付加価値製品の拡販や価格転嫁の進展により利益率が改善したほか、大阪営業所跡地売却に伴う特別利益655百万円を計上し、上場来最高益を更新した。
2026年12月期は、売上高28,000百万円(前期比7.6%増)、営業利益4,000百万円(同2.1%増)、当期純利益2,800百万円(同10.3%減)を予想している。売上高は、半導体関連工事の一部調整を織り込むものの、海外クリーンエネルギー関連の伸長により増収を見込む。利益面では、当期純利益は前期の特別利益の反動で減益となる見通しながら、本業の収益力を示す営業利益では増益基調を維持する計画である。
中期経営計画の開示はないものの、オーガニックとノンオーガニックの両面から成長を追求する方針である。国内工場の拡張も検討しており、中国・ベトナム・日本の3極体制のもと、コスト・CO2排出料、輸送コストを総合的に考慮して最適地生産を進める。成長戦略の柱は、半導体、AIロボティクス、クリーンエネルギー、社会インフラ更新の4領域である。AIやデータセンター向けの半導体需要の拡大、水素サプライチェーン構築などの脱炭素関連投資が追い風となる。水素分野では、液化水素運搬船に採用された「極低温×伸縮」技術を強みに拡大を図る。加えて、水道管老朽化対策として開発したSDF工法は、開削工事をせず管路変更と耐震化を可能とする技術であり、都市部を中心に需要拡大が期待される。M&Aについては、「金属のパイプ」関連分野を中心に、自己株式の活用を視野に入れて検討を進める方針である。
株主還元は連結配当性向40%以上を基本方針とする。2025年12月期の配当は特別利益還元分10円を含め年間69円(配当性向40.5%)を予定している。2026年12月期は62円(同40.6%)を予想する。仮に業績が下振れした場合でも、前期の普通配当実績59円を下限とする方針である。事業ポートフォリオの分散による収益安定化と成長領域への展開を背景に、安定的な還元姿勢とともに中長期的な企業価値向上が注目される局面にある。
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