*11:06JST ガーデン Research Memo(6):来店客数や収益の回復に向けた取り組みを推進
■業績動向
2. 2027年2月期へ向けた対策
2026年2月期の業績に対して、たとえば、価格改定後の客数回復遅延は値上げ幅の大きさやライス有料化などによりガーデン<274A>に対する顧客の期待値が下がったなど様々な要因分析を進めており、業態転換やDX活用、市場ニーズに合わせたキャンペーンなど、足元で来店客数や収益の回復に向けた取り組みを実施している。
店舗については、同社の強みである事業再生ノウハウを生かした業態転換により、不振店の収益改善を進めている。「すためし」については、瑞江店を「壱角家」へ業態転換した結果、1日平均売上高が17万円から51万円へと大きく改善したため、新丸子店を「壱角家」、新宿西口1号店を「萬馬軒」に業態転換した。また、乗降客数3万人の西武池袋線江古田駅に2025年8月に出店した「壱角家」江古田店が好調のため、地方都市での展開を視野に、従来ターゲットの乗降客数10万人に満たない駅への出店の検討に入った。既存店の活性化と収益力改善については、QSCA高度化とDX活用により、集客力の強化と徹底したロス削減を並行して実行した。QSCA高度化では、評価基準策定による目標の明確化やマニュアル動画の配備、マネジャー臨店頻度の向上により土台の強化を進めた。店舗オペレーションの最適化では、釜の小型化やスチームの利用などによりコメのロスを月間400万円削減した。DXの活用では、新型券売機や自動調理器を導入する一方、各ブランドで宅配向け販促を実施して既存店の宅配注文数を20%~40%引き上げ、「壱角家」と「山下本気うどん」を対象にしたアプリクーポンの発行によって登録者数を年間で約13万人増やした。
市場ニーズに合わせたキャンペーンでは、「壱角家 無限ライスキャンペーン」でライスの無料化・おかわり自由を復活、のり2枚増やスープ増量、ハイボール180円なども実施し、好評を博している模様である。また、来店動機向上をねらったクーポンの発行は、従来の値引きキャンペーンと異なって来店につながっているようだ。また、柔軟な店舗運営という特質を生かし、「壱角家」×「油そば総本店」のハイブリッド業態を開発した。「壱角家」で油そばも食べられることから好評であることに加え、ダブルネームにするためのコストが看板代の100万円〜200万円だけで、追加のコストやオペレーション、人員の必要がないことから、収益貢献への期待が大きい業態と言える。このため、壱角家直営店112店舗のうち、2026年6月までに30店舗をハイブリッド業態化する考えである。
2027年2月期は客数回復を背景に増益転換へ
3. 2027年2月期の業績予想
2027年2月期の業績予想について、同社は売上高20,350百万円(前期比13.7%増)、EBITDA2,030百万円(前期比14.5%増)、営業利益1,410百万円(同8.3%増)、経常利益1,280百万円(同5.7%増)、当期純利益840百万円(同34.2%増)と増益転換を見込んでいる。
日本経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の継続的な拡大により、緩やかな回復基調が続くことが期待される一方で、原材料価格やエネルギー価格の動向、為替相場の変動、地政学リスクの長期化などにより、依然として不透明な状況が続くものと見込まれている。また、物価上昇を背景とした実質所得の伸び悩みにより、個人消費においては引き続き選別的な動きが継続する見通しである。このような環境下で同社は、来店客数や収益の回復に向けた取り組みを引き続き着実に進めていく方針である。
足元2026年3月の状況は、全店売上高が前年同月比7.9%増、既存店売上高が同4.9%減と依然として既存店は厳しい状況だが、「壱角家」は価格改定効果が一巡する6月には、ライス無料化の影響もあって好転する見込みである。加えて、2026年2月期に譲受した「萬馬軒」と「高田屋」の業績への寄与が見込まれている。また、同社の既存店前提は例年の方針どおりマイナスだが、出店は純増31店舗を想定している。以上から、売上高は2ケタ増収を見込んでいる。なお、出店は「壱角家」「山下本気うどん」に加えて「萬馬軒」「高田屋」及び海外も強化する予定で、直営出店22店舗のうち10店舗が既に賃貸借契約済みである。利益面では、足元でライス無料を再開したが、4月ごろからコメの仕入れ価格が下がるなど原価が抑制されており、前期以上に悪化することはないと思われる。一方、販管費は、前期初に織り込まなかったM&A手数料を織り込んだため、営業利益の伸びが売上高を下回る見込みである(M&Aについては予定しておらず、M&Aの売上効果も織り込んでいないが、コストのみ先行的に織り込んだ)。
■株主還元策
2027年2月期は普通配当90.0円を継続
1. 配当政策
同社は、株主への利益還元を経営の最重要課題であると認識し、企業価値の継続的な拡大を図っている。また、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、安定した配当を継続する方針である。今後の株主への利益還元については、経営成績及び財政状態を総合的に勘案し、財務体質の強化、事業拡大のための投資などにも十分に留意しながら、安定的かつ継続的な利益還元を基本スタンスとして、配当性向40%以上を目標としている。なお、内部留保資金については、店舗の新設及び改装のほかに、人材の採用や教育など将来の利益に貢献する有効な投資資金として活用しつつ、より一層の財務体質強化にも努める。以上の方針から、2026年2月期の年間1株当たり配当金を100.0円(普通配当90.0円、記念配当10.0円)とした。2027年2月期は現時点では普通配当90.0円を継続する予定である。
2. 株主優待制度
同社は、同社株式への魅力を高めるために株主優待制度を導入しており、2026年4月には、同社事業への理解と中長期にわたる支援を促すため、株主優待制度の拡充を決定した。従来は保有株数1単元(100株)以上の株主に対し、継続保有期間※1に応じて国内の「壱角家※2」及び「山下本気うどん」全店・全商品で利用できる優待食事券を最大で年4枚進呈していたが、保有株数のレンジを追加し、進呈枚数を最大で年10枚に拡大する。同変更の適用は、2026年8月末日時点の株主名簿に記載または記録された株主への進呈分(2026年11月進呈予定)から開始する。
※1 半年以上継続保有とは、同じ株主番号で2月末日及び8月末日時点の同社株主名簿に連続して2回以上記載または記録されていることを指す。
※2 横浜道・品川家・茅ヶ崎家・吉祥寺家・豊島家・野田家を含む。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
<HN>